2006 Fiscal Year Annual Research Report
G蛋白質シグナルによるリン脂質代謝制御と細胞形態制御の分子メカニズム解析
Project/Area Number |
17079008
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
金保 安則 筑波大学, 大学院人間総合科学研究科, 教授 (00214437)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横関 健昭 筑波大学, 大学院人間総合科学研究科, 講師 (80373405)
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Keywords | 脂質性シグナル分子産生酵素 / ARF6 / PIP5K / 肝臓 / 低分子量G蛋白質 / シグナル伝達 / ノックアウトマウス / 形態形成 |
Research Abstract |
我々はこれまでに、低分子量G蛋白質のADPリボシル化因子6(ARF6)はリン脂質キナーゼのホスファチジルイノシトール4-リン酸5-キナーゼ(PIP5K)の活性化因子として機能し、ARF6→PIP5Kシグナル伝達系はラッフル膜形成に重要な役割を果たしていることを明らかにした。このことから、ARF6はPIP5Kを介して様々な細胞の形態形成を制御している可能性が想定される。この点について個体レベルで解析するため、ARF6の遺伝子ノックアウトマウスを作製し、その解析を行った。 ARF6ノックアウトマウスは、E13.5以降に徐々に死んでいき、胎生致死であった。そこで、E13.5以前の胎児について解析したところ、肝臓のサイズが小さくなっており、肝臓の発生に異常が見出された。また、肝臓を組織染色したところ、スポンジ様の組織染色像を示し、肝細胞のアポトーシスが起こっていることが明らかとなった。発生段階における肝臓形成を解析すると、発生初期における肝芽細胞への分化には異常が認められなかったが、その後の肝細胞索形成に異常が認められた。この異常は、ARF6ノックアウトマウスから調製した初代培養肝細胞におけるHGF依存的な肝細胞索形成でも認められ、ARF6の入れ戻しにより回復した。肝細胞のアポトーシスは、肝細胞索形成異常が認められる時期よりも遅いため、アポトーシスは肝細胞索形成異常の結果亢進するものと考えられる。 これらの結果から、ARF6は発生過程における肝臓形成に重要な役割を果たしていることが結論づけられた。
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Research Products
(7 results)