2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17080001
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
白髭 克彦 東京工業大学, バイオ研究基盤支援総合センター, 助教授 (90273854)
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Keywords | 染色体複製 / 染色体分配 / 複製チェックポイント / DNAチップ / 染色体動態 |
Research Abstract |
以下の二点について、重要な成果を得た。 1)Mrc1によるチェックポイント活性化の分子機構について in vivoにおけるMrc1相互作用因子の探索の結果、Mcm6がそのC末端領域を通じてMrc1と相互作用し、Mcm6のC末への2アミノ酸の置換変位の導入によりこの相互作用が特異的に失われることを明らかにした。In vitroにおいても、この置換変異の導入により特異的にMrc1とMcm6の相互作用が失われた。面白いことにこのMcm6の変異はHU(ヒドロキシウレア、リボヌクレオチドレダクターゼの阻害剤であり、dNTPを枯渇させる)に対するよりもMMS(メチルメタンスルホン酸)に対して強い感受性を示し、変異株の中ではMMSに応答した複製チェックポイントの活性化が全く誘導されない。一方、HUについてはほぼ正常にチェックポイントが活性化されることから、我々が単離した変異は、MMSによる複製ストレスを特異的に感知できないタイプの欠損を示すことが考えられた。 2)姉妹染色分体間接着確率因子Ctf4,Ctf18の複製チェックポイントにおける役割について 姉妹染色分体間接着確立因子、Ctf4、Ctf18についてそれぞれ、前者が複製装置の一部であること(Mol.Cell,2006)、後者が少なくとも複製ストレスに応答して染色体上への結合量が増加することを突き止めた。Ctf4については、このタンパクの欠損では複製チェックポイントの活性化は正常に誘導されるものの、DNAポリメラーゼαの複製フォークへの安定的な結合が失われ、McmヘリカーゼとDNAポリメラーゼαの相互作用が特異的に失われる。このような相互作用の喪失はチェックポイント因子であるMrc1やTof1の欠損では観察されない。また、Ctf4タンパク自身はRad53依存的にリン酸化されることから、チェックポイントの下流のターゲットとして機能していることが考えられた。一方、Ctf18は複製ストレス下でRad53非依存的に染色体に結合することが判明した。Ctf18はRad53の活性化に必要であることから、Ctf18はチェックポイントのメディエーターとして機能している可能性が示唆された。複製因子であるDpb11がCtf18とはぼ同じ挙動を示すことから、Dpb11が停止した複製フォークにロードされることが新たなチェックポイントの活性化につながるのではないかと考えている。
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Research Products
(6 results)