2005 Fiscal Year Annual Research Report
染色体ネットワークと相同組換えの連携の分子メカニズム
Project/Area Number |
17080004
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
篠原 彰 大阪大学, 蛋白質研究所, 教授 (00252578)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
篠原 美紀 大阪大学, 蛋白質研究所, 助手 (80335687)
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Keywords | 相同組換え / 減数分裂 / 細胞周期 / 酵母 |
Research Abstract |
減数分裂期においては染色体の形態変化と相同組換えのようなDNA上の生化学的反応が緊密に連携している。また、その中の各反応は細胞周期の進行とも密接に共役していることも知られている。サイクリン依存性キナーゼCdkやポロキナーゼは体細胞分裂期では細胞周期のみならず,染色体機能の調節やDNA複製等のDNA上での生化学反応の制御に直接関わり,その機能は体細胞分裂期では明らかになりつつある。一方,減数分裂期においては、その機能はあまり知られていない。減数分裂期の染色体形成や組換えとCdkとの関係を明らかにするために酵母Cdkの触媒因子Cdc28の減数分裂期の局在を間接蛍光抗体法で観察した所,減数分裂期の組換えが活発に起きる時期にCdc28蛋白質が染色体上に特異的に局在している事が分かった。この局在は減数分裂期特異的な染色体構成要素であるRed1,Hop1に依存する。また、Cdkの減数分裂期時期特異的な結合はその調節サブユニットのサイクリンの中でもClb5,Clb6に依存していることも明らかにできた。この結果から、Cdk(Cdc28-Clb5,6複合体)が減数分裂期の染色体上に局在することで,染色体の形態変化や組換えのようなDNA上のイベントを制御していると考えられる。現在Cdkの下流で働く標的因子の同定を試みた。平行して,サイクリン依存性キナーゼCdkやポロキナーゼにより減数分裂期特異的にリン酸化される因子を検索した所,組換えの中間体に解離に働く蛋白質Mms4が2つのキナーゼ依存的に,減数分裂期の間期でリン酸化されることを明らかにできた。また、Mms4はポロキナーゼCdc5と直接相互作用する事も分かった。この結果は減数分裂期には組換え中間体の加工酵素がリン酸化により制御を受け、その活性が減数分裂期特異的に変化している事を強く示唆している。現在,リン酸化部位の同定を含めた,機能解析を行った。
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Research Products
(4 results)