2006 Fiscal Year Annual Research Report
染色体ネットワークと相同組換えの連携の分子メカニズム
Project/Area Number |
17080004
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
篠原 彰 大阪大学, 蛋白質研究所, 教授 (00252578)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
篠原 美紀 大阪大学, 蛋白質研究所, 助手 (80335687)
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Keywords | 染色体 / 相同組換え / テロメア |
Research Abstract |
減数分裂期の組換えは、体細胞分裂期の組換えと異なり,交叉型組換え体を生じること,姉妹染色体間より相同染色体間で起きること,その数と分布が染色体あたり制御を受けていると言った特徴がある。このような減数分裂期の組換えの特徴は減数分裂期に特異的に発現する蛋白質の機能により賦与されている。さらに、減数分裂期の組換え反応は染色体構造、染色体配置の劇的な変化を伴う。相同染色体が対合したシナプトネマ複合体,あるいはテロメアが中心体の近傍にクラスタリングしたブーケ構造がその代表である。このような染色体構造、配置の機能についても不明な点が多い。出芽酵母をモデル生物として,減数分裂期のおける染色体構造と組換え反応の関係について解析を行っている。 減数分裂期特異的に発現するOSM4遺伝子の解析から,Csm4蛋白質が減数分裂期特異的なテロメアの集合反応であるブーケ形成を促進すること,特に,核膜上に結合したテロメアの集合体形成を安定化することが明らかになった。さらに、csm4変異株は相同組換え,特に組換え中間体の移行に重要な役割を果たすことも分かった。これらの結果は,減数分裂期ではテロメアを核膜上で集めることにより,核内における染色体の配置,動きを制御することで,染色体上で起きる組換えの生化学反応を"正に"促進していることが強く示唆された。
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Research Products
(3 results)