2006 Fiscal Year Annual Research Report
染色体複製開始タンパク質の機能制御因子とその作動メカニズムの解明
Project/Area Number |
17080005
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
片山 勉 九州大学, 薬学研究院, 教授 (70264059)
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Keywords | DNA複製 / 細胞周期 / ネットワーク / クランプ / フィードバック制御 / ATP / タンパク質高次複合体 / 試験管内再構成 |
Research Abstract |
本計画研究では、精製タンパク質によるミニ染色体複製再構成系などの高度解析基盤をもつ大腸菌を対象として、複製開始に関わる制御システムの分子機構とネットワークを明らかにする。5年計画の2年度めとなる本年度では研究計画に従って以下の実績の構築に至った。 1 複製開始制御に関わるDnaA,Hda,クランプ分子の機能構造解析 DnaAおよびHdaのヌクレオチド結合とATP加水分解に関わる部位を同定し、その機能を解析した(Mol.Microbiol.)。特にDnaAドメインIVに新たな機能構造があることがわかった(論文執筆中)。また、新たなクランプ変異体を解析して、クランプ-Hda複合体の動態解析を進めた。 2 Hdaに結合するヌクレオチドの機能の解析 ヌクレオチド結合欠損変異体の解析を進め、複合体形成動態との関連を見いだした(論文執筆中)。 3 DnaA再活性化因子の解析 in vitroで機能構造解析を進めた。また、in vivoで複製開始への役割を解明した(論文執筆中)。 4 DnaA結合因子の探索と解析 プロテオミクス手法により見いだした多数の候補因子のうち、一部についてDnaAとの相互作用に必要な機能構造を同定した。DnaAとの相互作用の意義について解析を進めている。またこれらに加え、以前に発見していたDnaA結合因子、DiaAについては詳細な機能構造と複製開始促進機能のメカニズムを解明した(論文投稿中)。 5 クランプ結合因子の探索と解析 すでに見いだした多数の候補因子のうち、一部についてはクランプとの結合を再確認し変異体を解析した。機能未解析遺伝子の1つについては、クランプ結合能欠損変異体で無核細胞が生じた。 6 過剰複製に対応する細胞応答システムの解析 当該応答システムにはDNAヘリカーゼが重要な役割を果たしていることがわかった。 7 複製制御因子の細胞内局在性の解析 GFP融合遺伝子を作成し、仁木班と共同で解析した結果、核様体内に局在することがわかった。
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Research Products
(7 results)