2005 Fiscal Year Annual Research Report
相同組換えと共役した複製フォークの再生と品質管理の分子機構
Project/Area Number |
17080007
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
岩崎 博史 横浜市立大学, 大学院国際総合科学研究科, 準教授 (60232659)
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Keywords | 相同組換え / Rad51(Rhp51)リコンビナーゼ / Swi5-Sfr1複合体 / DNA鎖交換反応 / メディエーター / 分裂酵母 / 接合型変換 / Rad55-Rad57(Rhp55-Rhp57)複合体 |
Research Abstract |
分裂酵母Rhp51は出芽酵母や高等真核生物におけるRad51やバクテリアRecAのオルソログで、相同組換えにおいて鍵となるタンパク質である。これまでの解析から、Sfr1/Swi5複合体が、Rhp55/Rhp57(出芽酵母Rad55/57オルソログ)複合体と同様に、しかし、生理的には異なった機能をもって、Rhp51のmediatorとして働く可能性を示唆していた。本研究は、試験管内DNA鎖交換反応を構築して生化学的解析を行い、これを証明した。以下、得られた結果を箇条書きにして纏める。 1)出芽酵母やヒト由来のRad51タンパク質を用いた鎖反応においては、RPA依存的な交換反応が観察されるが、分裂酵母Rhp51の場合は、RPAを添加しても、反応中間体や産物はほとんど観察されなかった。しかし、Swi5/Sfr1複合体を添加すると、反応中間体や反応産物が形成された。 2)添加するSwi5/Sfr1複合体は、Rhp51に対して1/20から1/10程度が至適量であった。これより多く添加すると反応阻害が観察された。 3)各コンポーネントを添加する順番を検討した結果、RPAより先に、Rhp51が単鎖DNA結合に結合することが必須であることがわかった。 4)RPAによってRhp51の単鎖DNA結合能の阻害がかかるにも関わらず、Swi5/Sfr1複合体によるRhp51依存的鎖交換反応では、RPAが必須であった。すなわち、RPAを反応系に添加しないと反応産物や中間体は全く観察されなかった。 5)Rhp51の単鎖DNA結合には、アデニンヌクレオチドが必須であった。かつ、鎖交換反応にはATPの加水分解が必要であった。 6)Swi5/Sfr1によるRhp51の活性化は、Rhp51の単鎖DNAに対する初期認識能を上昇させるのではなく、初期認識によって形成された不安定なRhp51-ssDNAフィラメントを安定・活性化して、ATPase活性を活性化させることによるものであると考えられた。
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