2006 Fiscal Year Annual Research Report
複製複合体の形成制御機構とチェックポイント・細胞分裂への関与の解明
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17080008
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Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
荒木 弘之 国立遺伝学研究所, 細胞遺伝研究系, 教授 (20151160)
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Keywords | DNA複製 / チェックポイント / CDK / 細胞分裂 / 複製開始 |
Research Abstract |
以下の2点について明らかにした。 ・Sld2はCDKによりリン酸化されDpb11に結合する。この結合は複成開始に必須であるが、Sld2のリン酸化型だけでは複製は開始しない。Sld2リン酸化型変異と昨年度分離したJET1変異を組み合わせると、CDK活性無しで複製が開始する。本年度は、まずJET1がCDC45の変異であることを見つけた。さらに、Sld3がCDKによってリン酸化されDpb11に結合することを見いだした。そして、Sld3の非リン酸化変異は増殖しないが、JET1変異は増殖を回復させるので、この過程をバイパスしていることが分かった。従って、CDKはSld2,Sld3リン酸化し、Dpb11との結合を促進することにより、DNA複製を開始させていると結論できる。 ・Sld7の変異はdpb11変異と合成致死になる。Sld7と供に働く因子を知るため、Sld7にタグを付け免疫沈降を行なった。共沈降したものをペプチダーゼ消化し、質量分析に供したところ、Sld3が共沈したことが分かった。実際、Sld3抗体によるウェスタンブロッティングを行なうと、Sld3の共沈殿が確認された。Sld3とSld7を大腸菌で発現させても、両者は結合するので、直接結合しているものと考えられる。Sld7欠失(sld7Δ)株は致死ではないが、Sld3量が減少し、増殖が遅く、複製阻害剤ヒドロキシ尿素に感受性になる。SLD3を多コピーsld7Δに導入するとこの感受性は野生株同様に回復する。さらに、sld3温度感受性変異のなかには多コピーのSLD7を導入すると回復するものもある。これらのことは、Sld7がSld3を通して働いていることを示している。
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Research Products
(4 results)