2007 Fiscal Year Annual Research Report
複製複合体の形成制御機構とチェックポイント・細胞分裂への関与の解明
Project/Area Number |
17080008
|
Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
荒木 弘之 National Institute of Genetics, 細胞遺伝研究系, 教授 (20151160)
|
Keywords | DNA複製 / チェックポイント / CDK / 細胞分裂 / 複製開始 |
Research Abstract |
以下の研究を行った。1)Sld2タンパク質とSld3タンパク質がCDKにリン酸化され、Dpb11タンパク質と結合することが染色体DNA複製の開始に必須であり、この結合をバイパスするとCDK活性なしで複製を開始することができる。最近、複製因子、Cdc45,MCM,GINSがCMG複合体を形成し、複製フォークでDNAヘリカーゼとして働くことが示唆された。このCMG複合体形成が複製開始のキイと考えられることから、CMGの構成因子とSld2,Sld3,Dpb11を精製し、相互の結合を調べた。その結果、Sld3,Dpb11はCMGの全ての構成因子と結合することが分かった。このことは、Dpb11,Sld3がCMG形成に重要な役割をすることを示唆する。2)Sld3タンパク質はSld7タンパク質と細胞周期を通じて結合し、Sld3-Sld7複合体として機能することが分かった。Sld7は細胞増殖に必須ではないが、Sld7を欠く細胞ではSld3の量が減少し、染色体DNAの複製が遅れる。Sld3をプラスミドから多量に供給すると、Sld7の欠損は相補されるが、野生型のレベルでは完全に相補されない。これは、Sld3単独では機能が低下しているため、野生型レベル以上のSld3が要求されるためと考えられる。Sld3は複製開始領域にG1期から結合する。この際、Sld7もSld3とともに複製開始領域に結合していた。Sld3の複製開始領域への結合はSld7欠失細胞でも起こり、この結合にはSld7は必要ないことが分かった。しかし、複製開始頻度は低下していると考えられることから、その後の複製タンパク質の複製開始領域への結合等の開始反応に欠損があるものと思われる。
|
Research Products
(19 results)