2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17080009
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Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
仁木 宏典 国立遺伝学研究所, 系統生物研究センター, 教授 (70208122)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
筒井 康博 国立遺伝学研究所, 分子遺伝研究系, 助手 (00390625)
木村 暁 国立遺伝学研究所, 新分野創造センター, 助教授 (10365447)
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Keywords | 染色体 / 分配 / DNA結合 / 無核 / 細胞分裂 |
Research Abstract |
本特定研究では「バクテリア・セントロメア様領域の分子機構」という研究課題の基に計画研究を進めている。その研究目的の一つとして、バクテリアの細胞で培って来たDNA-タンパク質の細胞内動態法を、酵母細胞へ応用し、染色体と核の研究に使える新しい真核細胞の細胞遺伝生物学のモデル系を開発もめざしている。分裂酵母の一種であるSchizosaccharomyches japonicusが、M期で3本の染色体が明瞭に観察可能であり、本研究目的に最適である。な野生株からそれぞれ接合型の異なるヘテロタリック株の分離を行った。これにより、遺伝学的な掛合せ実験が可能となった。また、公開されたS.japonicusゲノム配列から、遺伝子産物のGFPなどによる標識が容易になった。本年度では、HistonH3-GFPにより、細胞周期を通じた核と染色体の動態が明らかにした。まず、染色体の凝集に続き、分離が始まる。M期後期では、核全体が紡錘形を呈し、その中に分配されていく染色体が見える。限界まで伸び切った紡錘形の核は、突然、破断を起こしそれぞれの娘染色体は細胞極へとさらに移動する。このとき、3本の染色体の一本が、別れていく娘染色体の間に、長い架橋として観察される。これは、この染色体が最後に分かれるためで、実際、接着したこの染色体の末端部分が解離し、先に分離し移動したそれぞれの娘染色体へ引っ張り込まれる様子がしばしば観察される。この時、Gar2-GFPをマーカーにして核小体の分離・分配を観察してみると、核全体が紡錘形に変化するにつれて、核小体も細長く伸びる。これが、やがて中央部にて2つに分離する。この核小体の位置と形の変化は、最後に分離する染色体の位置と形によく一致する。すなわち、この染色体を中心として核小体がまとわり付き、染色体の分配と共に核小体は分離・分配されている。
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[Journal Article] Escherichia coli with a linear genome2007
Author(s)
Cu, i T., Moro-oka, N., Ohsumi, K., Kodama, K., Ohshima, T., Ogasawara, N., Mori, H., Wanner, B., Niki, H., Horiuchi, T.
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Journal Title
EMBO Rep. 8 ・ 2
Pages: 181-187
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