2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17080011
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
太田 邦史 独立行政法人理化学研究所, 太田遺伝システム制御研究室, 准主任研究員 (90211789)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣田 耕志 独立行政法人理化学研究所, 太田遺伝システム制御研究室, 基礎科学特別研究員 (00342840)
福田 智行 独立行政法人理化学研究所, 太田遺伝システム制御研究室, 基礎科学特別研究員 (90415282)
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Keywords | クロマチン / 減数分裂 / 酵母 / 相同組換え / DNA複製 / 姉妹染色体結合 / ヒストン修飾 / セントロメア |
Research Abstract |
減数分裂期組換え開始に関わるタンパク質の染色体上での動態・局在や分子間相互作用について下記の通り出芽・分裂酵母をモデル生物として研究を行った。 1.出芽酵母組換え開始因子の染色体結合動態・複合体形成の解析 エピトープタグを連結した組換え開始因子(Spo11,Mre11,Rad50,Xrs2,Rec102,Ski8など)及びRec8について、クロマチン免疫沈降法(Chip法)でこれら因子の組換え開始部位への結合順序を解析し、Rec114-Mre2-Mei4;Rec102-Spo11-Rec104-Ski8;MRX複合体の3種の複合体が順番に結合することを見出した。またSpo11複合体の単離に成功し、質量分析器で複合体がRec102-Spo11-Rec104から構成されることを示した。Gal4BD-Spo11を用いた実験系では、Spo11間の自己相互作用が減数分裂期に活性化し、その過程にRec102とRec104が関与することが明らかになった。 2.ゲノムタイリングチップを用いた組換え開始因子の染色体分布動態の解析 昨年に引き続き、Spo11の減数分裂期染色体上での動態を、出芽酵母第III, IV, V、VI染色体について300bp解像度でカバーしたゲノムタイリングアレイを用いて解析した。本年は、Rec8変異株におけるSpo11の分布を調べたところ、Rec8に依存してSpo11がセントロメア領域から染色体に結合し、その後のSpo11の腕部への再配置が染色体に依存して影響を受けることを示した。 3.減数分裂期のクロマチン再編成・染色体再編成の分子機構 既に獲得した数種(Ada2,Hrp1,Hrp3など)の分裂酵母クロマチン再編成因子が、減数分裂期組換えの活性化に必要であることを示した。正井班との共同研究で、分裂酵母Hsk1(Cdc7ホモログ)が組換え開始点のDNA切断やクロマチン再編成に必須であることを示した。また、Mms21によるSUMO化が複製時の異常なDNA構造の発生を抑制し、組換えを抑えていることを明らかにした。
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Research Products
(8 results)