2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17080011
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
太田 邦史 The University of Tokyo, 大学院・総合文化研究科, 教授 (90211789)
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Keywords | 減数分裂 / 組換え / クロマチン / ヒストン / 姉妹染色体 / 複製 |
Research Abstract |
組換えは遺伝情報の多様性獲得や子孫への継承に重要な役割を果たす。減数分裂においては、組換え酵素の活性化およびクロマチン構造の変化とともに組換えが顕著に上昇するが、その分子メカニズムに関しては不明な点が多い。組換え活性化の律速段階は、組換え開始部位でのDNA二本鎖切断であり、種々の階層の染色体エレメントと密接な関係を持つことが明らかになりつつある。本研究では、DNA切断酵素Spo11およびその関連因子と、DNA複製・複製チェックポイント・クロマチン再編成因子・ヒストン修飾・姉妹染色体結合・セントロメアなどの関係について、種々の分生物学、遺伝学、生化学手法を統合的に利用する一方、ゲノムタイリングチップ-クロマチン免疫沈降(ChIP-chip法)や、プロテオミクス手法を利用したりして、組換えを中心とした染色体ネットワークの全容を解き明かす。 本年度は、分裂酵母の組換え開始に関わるRec12/Spo11複合体の組成を,微量質量分析で解析した。その結果、Rec12がRec6とRec14と複合体を形成すること、またRec7-Rec15-Rec24複合体の存在を示した。また、これらの複合体形成の分子機作について、変異体と免疫沈降を組み合わせた解析で明らかにした。分裂酵母組換えホットスポットの減数分裂期クロマチン再編成に関しては、組換えホットスポット活性に相関して、特有のヒストン修飾パターンが出現する可能性が示唆された。今後は、組換えを活性化するヒストンコードが存在するかについて、検証を行う予定である。 また、出芽酵母のSpo11にGa14のDNA結合部位を連結したものを、減数分裂期の出芽酵母内で発現させ、Ga14Spo11を誘導結合(tethering)することで生じる人工組換えホットスポットを用いて、姉妹染色分体結合因子Rec8とSpo11の相互作用を検証する実験系を確立した。
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