2009 Fiscal Year Annual Research Report
高次クロマチン構造による染色体機能ドメイン構築機構の解明
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17080012
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
中山 潤一 The Institute of Physical and Chemical Research, クロマチン動態研究チーム, チームリーダー (60373338)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 洋太 北海道大学, 先端生命科学研究院, 教授 (20260622)
沖 昌也 福井大学, 工学研究科, 准教授 (60420626)
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Keywords | ヘテロクロマチン / 分裂酵母 / 出芽酵母 / クロモドメイン / クロマチンアッセンブリー / バウンダリー / サイレンシング |
Research Abstract |
1. 高次クロマチン構造の確立と維持のメ力ニズムの解析:(1)HP1/Swi6はヘテロクロマチン形成の中心的役割を果たす因子である。昨年までの分裂酵母の成果を基に、本年度は哺乳類HP1の機能とその動態解析を進めた。そして哺乳類HP1が様々な種類のリン酸化修飾を受けること、またその修飾がK9メチル化H3の認識に重要であることを明らかにした。さらにHP1のアイソフォームが、独自の相互作用因子と結合し、高次クロマチン構造維持に寄与していることを明らかにした(中山)。(2)分裂酵母ヘテロクロマチン領域には、Swi6依存的にコヒーシンが局在し、姉妹染色分体接着をおこなっている。我々はSwi6と相互作用しヘテロクロマチン内の転写を活性化するEpe1と、転写を抑制するSHREC複合体が、コヒーシンの局在を制御する事を見いだした。この結果よりコヒーシンのヘテロクロマチンへの局在、さらには姉妹染色体分体接着を確立・維持する過程を、ヘテロクロマチン内の転写が制御するという、新しいメ力ニズムの存在が示唆された(村上)。 2. 高次クロマチン構造境界形成機構の解析:(3)スクリーニングにより分離された境界形成因子であるGIC1、SGF73のドメイン解析を行い、境界形成能を持つ最小領域を決定に成功した。GIC1はそれぞれ約20アミノ酸からなる離れた2ケ所のドメインが境界形成に必要であった。SGF73は28アミノ酸で境界形成能を持ち、その領域特異的にヒストンアセチル化酵素複合体が結合することが明らかとなった(沖)。(4)レポーター遺伝子EGFPを境界領域に挿入し、EGFPの発現状態を指標に単一細胞における境界領域切り替わりメ力ニズムを解析した。境界領域は分裂を繰り返すと変動し、老化すると発現状態が ON の細胞が増加することを発見した(沖)。
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Research Products
(17 results)