2007 Fiscal Year Annual Research Report
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17081001
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
竹島 浩 Kyoto University, 薬学研究科, 教授 (70212024)
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Keywords | 小胞体 / Ca2+放出 / リアノジン受容体 / Ca2+結合タンパク質 / 神経可塑性 / 後科分極 / カウンターイオン |
Research Abstract |
結合膜構造を形成させるタンパク質であるジャンクトフィリン(JP)の4種のサブタイプの中で、中枢系ではJP3とJP4が共発現しており、互いに機能的に補完している。JP3とJP4同時欠損(JP-DKO)マウスでは運動学習の機能低下か観察され、小脳の機能異常が示唆された。平行繊維と登上線維より入力される小脳プルキンエ細胞(PC)の検討で、膜興奮→電位依存性チャネルによるCa2+流入→リアノシン受容体による小胞体Ca2+放出→Ca2+依存性K+チャネルの開口、というチャネル機能共役によりAHP相が形成されることが示された。JP-DKO PCては、このCa2+仲介性チャネル共役によるAHP相が欠損し、それに起因すると考察されるproteln kinase Cの過剰活性化、転写調節因子の発現異常なども観察され、さらに、運動学習の基盤である長期抑圧が形成されない。したがって、JP3とJP4は協調して神経細胞内で結合膜構造を構築し、上述のチャネル間機能共役を成立されるものと考察される。 小胞体の新規分子の検索で見出されたTRICチャネルは、3本の膜貫通セグメントを有するタンパク質が三量体を形成し、一価陽イオン選択的なイオンチャネル活性を示す。胎生期心不全を示すTRICチャネルの完全欠損マウスでは、心筋細胞におけるリアノジン受容体によるCa2+放出が抑制されており、小胞体のCa2+過剰負荷が観察された。TRICチャネルの欠乏マウスの骨格筋では、リアノジン受容体にCa2+放出の部分的な抑制、小胞体Ca2+放出に伴う過剰な膜電位の発生などが観察された。したがって、細胞内環境で主にK+を透過するTRICチャネルは、小胞体Ca2+放出に伴い発生する膜荷電を中和するカウンターイオンチャネルとして機能するものと考察される。
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[Journal Article] TRIC channels are essential for Ca2+ handling in intracellular stores.2007
Author(s)
Yazawa, M., Ferrante, C., Feng, J., Mio, K., Ogura, T., Zhang,
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Journal Title
Peer Reviewed
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[Presentation] Bichemical and biophysical characterization of mitsugumin 332008
Author(s)
Younis, N., Okuda, K., Nishi, M., Yamazaki, T., Aoki, S., Carter,
Organizer
Biophysics Society Meeting
Place of Presentation
Long Beach, California
Year and Date
2008-02-04
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