2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17081004
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
末次 志郎 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 講師 (70345031)
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Keywords | N-WASP / EFCドメイン / 膜変形 / アクチン重合 / エンドサイトーシス / SKIP |
Research Abstract |
本年度の研究では、前年度に見いだしたEFCドメインの構造機能解析をさらに押し進めた。 前年度までにEFCドメインが脂質二重膜に結合すること、脂質二重膜を変形することを見いだしていた。 本年度は、EFCドメインの詳細なアミノ酸マッピングを行い、脂質結合アミノ酸を同定した。その結果、EFCドメインと一次配列状弱いアミノ酸配列の相同性のみられるBARドメインと同様に、EFCドメインも塩基性アミノ酸を介した静電相互作用によって膜と相互作用することを見いだした。 また、立体構造情報を得ることができ、EFCドメインダイマーはBARドメインと同様の形態を持っていることがわかった。興味深いことに、ダイマー同士のend-to-endおよび側方の相互作用の可能性が示唆され、EFCドメインが膜を変形する機序について示唆を得ることができた。機能面では、EFCドメイン含有タンパク質が共通して結合するN-WASPとのクラスリン依存的エンドサイトーシスにおける共局在を計時的に観察した結果、クラスリンが細胞膜表層からはなれる(エンドサイトーシスされる)ときにN-WASPとEFCドメイン含有タンパク質がクラスリンと共局在することがわかった。すなわち、EFCドメインはクラスリン依存的エンドサイトーシスにおいて、クラスリンによって形成される膜の陥入構造を検知あるいは生成増強すること、陥入構造近傍でN-WASPによるアクチン重合を誘導することによって、細胞膜のエンドサイトーシスという特定の膜構造に依存したアクチン重合制御を制御していることが示唆された。リン脂質代謝酵素であるSKIPについてはインシュリン感受性についての解析を終え論文を投稿した。
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