2005 Fiscal Year Annual Research Report
心血管特異的トランスポートソーム:分子機構から病態発現まで
Project/Area Number |
17081007
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
古川 哲史 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (80251552)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒川 洵子 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助手 (40396982)
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Keywords | タンパク間相互作用 / カリウムチャネル / 一酸化窒素 / カベオラ / ニトロソ化 / 性ホルモン / ルシフェラーゼ |
Research Abstract |
心筋カリウムチャネルI_<Ks>チャネルの一酸化窒素(NO)による調節機構に関して、以下の検討を行なった。 (1)I_<Ks>チャネルのカルシウム感受性: I_<Ks>チャネルはカルシウム感受性があり、このメカニズムはカルシウム依存性一酸化窒素産生が関与する。これにはcaveolin-3・calmodulin・NOS3の動的なタンパク間相互作用が関与する(Circ.Res.2005)。 (2)性ホルモン非ゲノム作用によるI_<Ks>調節: I_<Ks>チャネルが性ホルモンにより活性化されるが、これは遺伝子転写を介さない性ホルモンの非ゲノム作用を介している。非ゲノム作用にはc-Src・PI3キナーゼ・Akt・NOS3の動的な相互作用により産生された一酸化窒素が関与する(Circulation 2005)。 (3)ニトロソ化によるI_<Ks>調節: Biotin-switch assay法を用いて、少なくともin vitroではI_<Ks>チャネルαサブユニットであるKCNQ1のカルボキシ末端のCys残基がニトロソ化されることがI_<Ks>活性化に関与すること、これにはCys残基周辺のアミノ酸を含めたレドックス環境が関与することを示した。 (4)生物発光を用いたタンパク間相互作用の検討: Luciferaseを用いたタンパク間相互作用検出法を用いて、エストラジオールの非ゲノム作用のシグナル伝達経路を解析する発光プローブを開発し、検討を始めた。エストラジオール刺激により活性化されるが核内移行しないERKが関与する可能性が示唆されている。 (5)NOの光学的測定: 心血管系細胞でNOを実際に測定するため、東京大学梅澤研究所で開発されたnMオーダーのNOの測定が可能となる、NOA-1のシステムを導入した。
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Research Products
(4 results)