2009 Fiscal Year Annual Research Report
心血管特異的トランスポートソーム:分子機構から病態発現まで
Project/Area Number |
17081007
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
古川 哲史 Tokyo Medical and Dental University, 難治疾患研究所, 教授 (80251552)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒川 洵子 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 准教授 (40396982)
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Keywords | 性ホルモン / 一酸化窒素 / S-ニトロシル化 / 脂質ラフト / カリウムチャネル / PDE / PLA法 |
Research Abstract |
(1)性ホルモン非ゲノム作用特異的受容体の検討: 心血管系で非ゲノム経路を担当する性ホルモン受容体は、N末端短縮型受容体であることが示唆された。全長性ホルモン受容体ではDNA結合に関与するZinc-finger motifの複数Cys残基が交換スプライシングによりN末端に存在するようになり、これらがS-パルミトイル化の修飾を受け、これが脂質ラフト局在することが、同受容体が非ゲノム作用に特異的作用するメカニズムであることが示唆された。 (2)性ホルモン非ゲノム作用トランスポートソームの空間的解析: 性ホルモン非ゲノム作用による心筋Caチャネル調節は、交感神経刺激状態時にのみ作用する。その分子機構をPLA (proximity ligation assay法)を用いて検討した。CaチャネルにはPDE2とマクロ複合体を形成する分画とPDE3と複合体を形成する分画があり、前者が脂質ラフトに局在し、交感神経β2受容体シグナル分子および性ホルモンシグナル分子と共局在することが2つのシグナルのクロストークの機構であることが明らかとなった。 (3)由来の異なる一酸化窒素(NO)による調節機構: NO産生経路として、eNOSから産生されるNOもnNOSから産生されるNOもCaチャネルを抑制するが、前者は交感神経刺激状態のみに作用し不整脈に保護的に働くが、後者は基底状態から作用し、不整脈誘発性に作用することが明らかとなり、NOの由来により異なる作用を示すことが明らかとなった。
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Research Products
(11 results)