2006 Fiscal Year Annual Research Report
トランスポートソームにおけるscaffold蛋白の役割の解析
Project/Area Number |
17081008
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
畑 裕 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (80313237)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平林 享 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助手 (80376730)
飯田 純子 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助手 (80376805)
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Keywords | トランスポーター / チャネル / 細胞骨格 / Scaffold / PDZ |
Research Abstract |
イオンや低分子を運ぶトランスポーター、チャネルは生体の恒常性維持に重要である。これまでにきわめて多くのトランスポーター、チャネルが同定され、その個々の機能については多くの知見が得られている。しかし、トランスポーター、チャネルの生理機能の全体を理解するためには、トランスポーターやチャネルと相互作用する分子全体を対象として、機能的な分子複合体(トランスポートソーム)を解析する必要がある。本研究では、トランスポートソームの中でも、とくに複数の蛋白相互作用モジュールをもつscaffold蛋白に焦点をあてている。平成18年度には、1)細胞極性制御にかかわるNumbと相互作用する分子LNX1が、接着分子JAM4のエンドサイトーシスのscaffoldとして機能すること、2)シナプスのscaffold蛋白S-SCAMが、樹状突起に存在しこれまで機能未知とされていたdendrinを介して、チロシンキナーゼ受容体のエンドサイトーシスのscaffold蛋白であるCIN85と間接的に相互作用し、複合体を形成すること、3)これまで興奮性シナプスのscaffold蛋白としてのみ注目されていたS-SCAMが、抑制性シナプスにおいてもscaffold機能をもつこと、4)乳腺上皮細胞がTGFβの作用によって上皮細胞から間葉細胞様に変化すると、それに伴い、scaffold蛋白のうちMAGI-1の発現が低下して、かわってLNX1の発現がふえること、すなわち、scaffold蛋白は発現レベルで細胞外からのシグナルによる制御を受けること、を明らかにした。
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