2006 Fiscal Year Annual Research Report
疾患起因性変異蛋白の解析による腎臓の水・電解質トランスポートソームの解明
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17081009
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
内田 信一 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 准教授 (50262184)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 成 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (60170677)
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Keywords | WNKキナーゼ / 偽性低アルドステロン症II型 / ノックインマウス / claudin / Na-Cl共輸送体 / AQP水チャネル / 尿崩症 |
Research Abstract |
1)腎性尿崩症の内、常染色体優性遺伝形式家系において我々は以前AQP2のフレームシフト変異を見つけ報告していた。今回、この変異がいかにして病態を形成するのか、そしてどのような治療が可能なのかを検討するため、AQP2ノックインマウスを作成し解析した。その結果、変異型AQP2は正常AQP2と異なり本来あるべき集合管内管腔側でなく反対の基底側に局在し、AQPが4量体を構成する関係上、ドミナントネガティブ効果により正常型のAQP2のソーティングまで障害されることが明らかになった。また、その治療にはわずかに残る正常AQP24量体を最大限働かせるため、PDE阻害剤をスクリーニングしたところPDE4阻害剤であるロリプラムが尿浸透圧上昇作用があることが明らかとなり、ヒトへ応用が期待された。 2)偽性低アルドステロン症II型は、高血圧を呈する優性遺伝形式の病気であり、近年WNKキナーゼの変異がその原因である事が判明したが、その分子機序は全く不明であった。遠位部尿細管でのクロライドイオン再吸収の増加が指摘されていたが、以前我々は病気を引きおこす変異体のWNK4発現によりMDCK細胞にてクロライドイオン透過性の亢進、claudinのリン酸化が起こることを明らかにした。 一方、この様な培養細胞系ではクロライド透過性亢進以外にもいろいろなデータが出されている。しかしながら生体内でもこの様なことがおきているか結論が出ていなかった。そこで今回WNK4のミスセンス体を発現するノックインマウスを作成し検討することとした。すでに、偽性低アルドステロン症II型の形質を発現していることを確認し、モデルマウスとして検討に値することを確認済みで、現在分子病態を検討中である。
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