2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17081014
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
中西 宏之 Kumamoto University, 大学院・医学薬学研究部, 教授 (80314318)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上江洲 章吉 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 助教 (70363520)
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Keywords | 微小管 / 線毛 / リン脂質 / 細胞膜 / エンドサイトーシス / ソーティング / 中心体 / ユビキチン |
Research Abstract |
私共は、複数の新しい微小管結合蛋白質を見出しており、このうちSGIP1αに焦点をあてて解析を行っている。これまで、SGIP1αが微小管のみならずリン脂質に結合し、細胞膜を変形させとともに、クラスリン被覆小胞のコンポーネントEps15に結合し、クラスリン依存性エンドサイトーシスを制御していることを見出している。本年度の本研究において、他の新しい微小管結合蛋白質の解析とSGIP1αの研究を発展させ、以下の成果を得た。 1.新しい微小管関連分子(p180と仮称)を見出し、この分子が脳、肺、精巣に高い発現を示すことを明らかにした。さらに、p180が脳室上衣細胞や気管支上皮細胞の線毛に局在すること、直接微小管と結合しないことを見出した。P180は何らかの分子を介して微小管と連結していると考えられる。 2.コンピューター解析によってSGIP1αと高い相同性を示す分子2種(FCHO1とFCHO2)を明らかにした。このうちFCHO2は、普遍的に発現しており、SGIP1αと同様に微小管、リン脂質、Eps15に結合し、トランスフェリンのエンドサイトーシスを制御していた。また、FCHO2は微小管オーガナイジングセンターである中心体にも局在しており、この分子のノックダウンは中心体を増大させて微小管の分布異常と細胞分裂の障害を引き起こした。中心体のコンポーネントはユビキチン化されてダウンレギュレーションされることが知られており、FCHO2は細胞膜やエンドソームのみならず中心体からのEps15-ユビキチンを介した分子の輸送を制御している可能性が考えられる。 このように本年度の本研究は予想以上に進展し、当初の目的をほぼ達成することができた。
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Research Products
(4 results)