2008 Fiscal Year Annual Research Report
有機溶質トランスポートソーム : その構築と機能的意義
Project/Area Number |
17081016
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
金井 好克 Osaka University, 医学系研究科, 教授 (60204533)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永森 收志 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (90467572)
木村 徹 杏林大学, 医学部, 助教 (30433725)
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Keywords | 膜輸送 / トランスポーター / 複合体 / 生体膜 / 上皮輸送 |
Research Abstract |
本研究は、腎尿細管の有機溶質トランスポーターを中心として形成されるトランスポートソームを題材としてその分子構築と機能を明らかにすることにより、トランスポートソームの実体を明示することを目的とするものである。研究第4年度に当たる平成20年度は、膜タンパク質の可容化を含めた生体試料調製法、プロテオミクス実験系・解析技術をさらに最適化でき、GST-プルダウン、免疫沈降に引き続き質量分析計によりタンパク質同定を行う解析手順が確立された。これにより、膜タンパク質であるトランスポーターに結合するタンパク質の同定が大きく進展した。具体的には、以下の成果を得た。(1)代謝酵素を含むトランスポートソームの確立。プロスタグランジントランスポーターOAT-PGのC-末端細胞内ドメインの末端5アミノ酸領域に、プロスタグランジン代謝酵素15-hydroxyprostaglandin dehydrogenaseが結合し、輸送と代謝を効率良く共役する複合体を形成することが明らかになった。OAT-PGのノックアウトマウスを作製し、ノックアウトマウスでは代謝機能の低下が生じることを示し、輸送代謝共役の重要性を支持する成果を得た。(2)「代謝複合体(メタボロソーム)」の提唱。OAT-PGのC-末端5アミノ酸両領域には、15-hydroxyprostaglandin dehydrogenaseの他、複数の機能的に共役しあう代謝酵素群が結合することが判明した。OAT-PGのC-末端は、代謝酵素群を集積させ、代謝複合体形成の足場を提供していることが示唆された。(3)線虫のトランスポートソーム解析。線虫のPDZ結合モチーフを持つヘテロ二量体型アミノ酸トランスポーターへの結合するPDZタンパク質を同定した。そのノックアウトにより、線虫のin vivoでのトランスポートソームの意義を検証する解析を進行させている。
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Research Products
(42 results)