2006 Fiscal Year Annual Research Report
トランスポートソーム小胞輸送における膜融合機構の多光子励起過程を用いた可視化解析
Project/Area Number |
17081017
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Research Institution | National Institute for Physiological Sciences |
Principal Investigator |
根本 知己 生理学研究所, 脳機能計測センター, 准教授 (50291084)
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Keywords | 生理学 / カルシウムシグナル / 2光子顕微鏡 / 外分泌腺 / 高性能レーザー / 開口放出 / 生物物理学 |
Research Abstract |
トランスポートソーム構成分子は、固有のプラットホームの膜分画に輸送小胞の膜融合により挿入され複合体化し機能する。このような分画、細胞内小器官間の小胞輸送や開口放出など膜輸送系に必須の分子として、酵母から哺乳動物まで広く進化上保存されたSNARE連関タンパク質群が同定されている。しかし、この分子複合体の作動原理はもとより溶液輸送などのトランスポートソームの生理的機能との連関は未解明である。その問題の解決には、生理的な環境下でSNAREコア複合体の作用機序や小胞動態を解析、明確化することが必須である。本研究では、多光子励起法のレーザー技術を発展させ、小胞動態とトランポートソーム機能の空間的時間的な関係を定量的に明らかにすることを目的とし、前年度に引き続き、レーザー計測システムやプロトコルの展開を中心に研究を実施した。(1)多光子励起可能な帯域の拡張 新たに新型近赤外超短光パルスレーザーのシステムTsunamiBBを購入し、紫外自家蛍光、ケージド物質からVenusまでの広い大帯域の対応を可能とするシステムの構築に成功した。(2)in vivo2光子顕微鏡法の開発 さらに、生きた個体深部での2光子断層イメージング法の開発を開始し、0.7mmを越える深部の断層像を得ることに成功した。(3)2光子光活性化顕微鏡の開発 昨年度開始した、ケージド物質を用い膵臓外分泌腺におけるイオンチャネルの集積状態の機能マッピングを可能とする2光子光活性化顕微鏡に対し、本年度は高精度の電気生理測定システムを新たに結合させ制御プラグラムを自作し、カルシウム依存性イオンチャンル活性の測定を可能とするシステムへと改良した。(4)溶液輸送可視化解析法の確立 開発した溶液輸送のライブイメージング法を唾液腺に適応した。(5)水チャネル分子の機能の解析 水チャネルの分子機能についてノックアウトマウスを用いて検討し、新たな知見を得た。
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