2007 Fiscal Year Annual Research Report
トランスポートソーム小胞輸送における膜融合機構の多光子励起過程を用いた可視化解析
Project/Area Number |
17081017
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Research Institution | National Institute for Physiological Sciences |
Principal Investigator |
根本 知己 National Institute for Physiological Sciences, 脳機能計測センター, 准教授 (50291084)
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Keywords | 生理学 / 2光子顕微鏡 / 高性能レーザー / 生物物理学 / 細胞生理学 |
Research Abstract |
シナプス前終末における神経分泌における開口放出や分泌小胞輸送、リサイクリング過程には、酵母から哺乳動物まで広く進化上保存されたSNARE連関タンパク質群が必須であると考えられている。近年、開口放出の際、融合細孔の形成には、SNAREコア複合体の形成が必須であると考えられている(SNARE仮説)。しかし、この分子複合体がどのように膜融合を引き起こすのか、その作用機序は未解明である。この問題の解決には生理的な環境下でSNARE複合体形成と融合細孔形成の因果関係や作用機序を解析し、明確化することが必須である。本研究は、昨年度に引き続き、2光子励起法を発展させ、輸送小胞の動態、融合細孔形成の時間的空間的な因果関係を、さらに明らかにすることを目的として実施した。本年度は、Ti:Sapphireレーザーをポンプする半導体固体グリーンレーザーを導入し、旧来、発振が不安定な長波長領域での安定した出力の増加に成功し、GFPなどへの適用可能性が広がった。さらに、この特性を活用することにより、2光子励起法のin vivo可視化アッセイや生理活性研究への応用可能性を拡張した。特に、生きたマウス大脳新皮脂深部での神経細胞の微細な形態の掲示的観察に加え、それらの肝組織、皮膚組織、免疫組織への適用可能性も切り開くことに成功した。特に、開口放出のモデルとして膵臓β細胞を用いて、古典的な光学顕微鏡の空間分解能を下回る細胞内小胞の大きさを定量的に解析する方法論-TEPIQ法を適用した。その結果、回折限界以下のシナプス小胞様分泌顆粒の動態の可視化解析に成功し分子機構に関する知見を得た。
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Research Products
(17 results)