2006 Fiscal Year Annual Research Report
細胞間相互作用制御因子としての膜型ADAMメルトリンの役割
Project/Area Number |
17082003
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
瀬原 淳子 京都大学, 再生医科学研究所, 教授 (60209038)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
栗崎 知浩 京都大学, 再生医科学研究所, 助手 (90311422)
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Keywords | 心臓形成 / ADAMプロテアーゼ / 神経堤細胞 / メタロプロテアーゼ / 細胞分化 |
Research Abstract |
ADAMファミリーに属するプロテアーゼは、膜型増殖因子や細胞分化因子を切断することによってそれらのオンオフを制御したり、シグナルに対する応答性をレセプターの分解によって遮断したりする働きを持つことがわかってきている。しかし、細胞間相互作用におけるこれらのプロテオリシスの役割は現在のところあいまいである。我々はこれを明らかにすることを目的として、メルトリンα(ADAM12)、メルトリンβ(ADAM19)の役割や機能を探ってきた。本年度は、メルトリンβ欠損マウスを用いて、心室中隔や弁組織形成におけるこの遺伝子の役割を遺伝学的に明らかにした。メルトリンβは心臓神経堤細胞および心内皮細胞で発現することから、これらの細胞系譜特異的にこの遺伝子を発現させ、メルトリンβ欠損マウスの心臓の表現型が回復するかどうかを検討した。その結果、(1)神経堤細胞系譜で発現するメルトリンβが必要であること、(3)メルトリンβは、心臓神経堤細胞の移動や内皮細胞の増殖・上皮間葉転換など心内膜組織形成の前期には必要とされず、内膜組織形成後期に行われる内膜癒合あるいはそれをもたらす細胞分化に必要であることなどを明らかにした。また、先に神経堤細胞に強く発現するプロテアーゼ基質のひとつとして、膜型増殖因子ニューレグリンを同定していたが、この基質切断を生細胞で捉える目的で、ニューレグリンの細胞外ドメインをGFPでラベルし、共焦点顕微鏡を用いた蛍光相関法により、細胞内ゴルジ装置周辺におけるこの増殖因子の切断を観察することに成功した。
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