2005 Fiscal Year Annual Research Report
細胞外マトリックスのカスタマイゼーションとその細胞識別機構
Project/Area Number |
17082005
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
関口 清俊 大阪大学, 蛋白質研究所, 教授 (50187845)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 雅司 大阪大学, 蛋白質研究所, 助手 (90304055)
二木 杉子 大阪大学, 蛋白質研究所, 助手 (00403014)
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Keywords | 細胞外マトリックス / 基底膜 / ラミニン / 細胞外環境 / インテグリン / 細胞接着 / フィブロネクチン / QBRICK |
Research Abstract |
基底膜の主要構成分子であるラミニンには、サブユニット鎖組成の異なる12種のアイソフォームが存在する。我々は、細胞がこれらのアイソフォームをどのように識別しているかを明らかにするため、これまで知られている5種類のラミニン結合性インテグリン(α3β1、α6β1、α6β4、α7X1β1、α7X2β1)を全て可溶性組換え蛋白質として発現・精製し、それらのリガンド結合特異性および結合親和性をα鎖の異なる5種類のラミニンアイソフォーム(ラミニン111,211/221,332,411,511/521)を用いて検索した。その結果、ラミニン結合性インテグリンは、ラミニン332および511/521に選択性を示すグループ(α3β1、α6β1、α6β4)とラミニン211/221に選択性を示すグループ(α7X1β1、α7X2β1)に大別されることがわかった。また、α6β1とα7X1β1は、比較的緩やかな結合特異性を示し、他のインテグリンが結合できないラミニン411とも結合活性を示した。α6β1は、α7X1β1と同様、βプロペラドメイン内にX1ペプチド領域を含むことから、この領域の有無がリガンド結合特異性の幅広さを規定している可能性が示唆された。また、各アイソフォームのインテグリン結合親和性を比較すると、ラミニン111に対してはα7X2β1(Kd:1.0nM)、211/221に対しては(Kd:0.6nM)、332に対してはα6β1(Kd:7.5nM)、411に対してはα6β1/α7X1β1(Kd:>50nM)、511/521に対してはα6β1(Kd:0.7nM)が最も高い親和性を示すことがわかった。これらの結果は、細胞が5種類のラミニン結合性インテグリンを組み合わせて、基底膜のラミニン組成の違いを識別していることを示している。
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Research Products
(6 results)