2006 Fiscal Year Annual Research Report
細胞外マトリックスのカスタマイゼーションとその細胞識別機構
Project/Area Number |
17082005
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
関口 清俊 大阪大学, 蛋白質研究所, 教授 (50187845)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 雅司 大阪大学, 蛋白質研究所, 助手 (90304055)
二木 杉子 大阪大学, 蛋白質研究所, 助手 (00403014)
浄住 大慈 大阪大学, 蛋白質研究所, 特任研究員 (70452430)
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Keywords | 細胞外マトリックス / 基底膜 / ラミニン / 細胞外環境 / インテグリン / 細胞接着 / フィブロネクチン / QBRICK |
Research Abstract |
(1)基底膜の部位特異的なカスタマイゼーションの解析:発生中期および後期における毛包での各ラミニンアイソフォームの発現を網羅的に解析した。その結果、γ3鎖を含むラミニンが毛包の毛球部に選択的に発現することを見出した。γ3鎖を含むラミニンは神経管および脳軟膜周囲の基底膜にも発現していたが、それ以外では明確な発現は確認できなかった。ネフロネクチンも同様に毛包基底膜に発現していたが、興味深いことに成体マウスの毛包では毛軸の片側面だけに発現が認められた。この部位は形態学的にはバルジに相当する可能性が高い。 (2)細胞による基底膜コードの識別機構の解析:基底膜のRGD型リガンドのインテグリン結合特異性をインテグリンα8β1に注目して解析した。その結果、α8β1はネフロネクチンに高い特異性を示すことが明らかとなった。また、ネフロネクチン上でα8β1を介して伝達されるシグナルをフィブロネクチン上でα5β1から伝達されるシグナルと比較した。しかし、これまでのところ有意な違いは観察されていない。 (3)基底膜コードに対する細胞応答の解析:ラミニンα5鎖を部位特異的にノックアウトしたマウスを作製するため、α5鎖遺伝子の第3エクソンをloxP配列で挟んだfloxマウスを作製した。今後、本マウスと組織特異的にCre遺伝子を発現するトランスジェニックマウスを交配して、組織特異的にラミニンα5鎖を欠失したマウスの作製を進める予定である。 (4)基底膜による組織構築制御の解析: Frem2欠失マウスの解析から、同マウスでは基底膜へのネフロネクチンの組み込みに異常があることを見出した。また、マウスES細胞の胚様体形成において、外胚葉性上皮構造の形成と中胚葉形成が基底膜依存的に起こること、基底膜が構築できないラミニンγ1欠失ES細胞では上皮間充織転移を誘導するSnailやTwist遺伝子が早くから発現誘導されることを見出した。
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Research Products
(7 results)