2007 Fiscal Year Annual Research Report
細胞外マトリックスのカスタマイゼーションとその細胞識別機構
Project/Area Number |
17082005
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
関口 清俊 Osaka University, 蛋白質研究所, 教授 (50187845)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 雅司 大阪大学, 蛋白質研究所, 助教 (90304055)
二木 杉子 大阪大学, 蚤白質研究所, 助教 (00403014)
浄住 大慈 大阪大学, 蚤白質研究所, 特任研究員 (70452430)
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Keywords | 細胞外環境 / 基底膜 / 細胞外マトリックス / ラミニン / インテグリン / テトラスパニン |
Research Abstract |
1.初期発生における基底膜分子構成の時空間制御:胎生7.5〜10.5日マウス胚を用い、基底膜の分子構成が器官形成に伴ってどのように変化するかを、主要基底膜分子20種(ラミニンサブユニット鎖11種、IV型コラーゲンサブユニット鎖6種類、ニドゲン-1および-2、パールカン)について免疫組織化学的に解析した。その結果、胎生7.5日胚では、ラミニンα5、β1、γ1鎖、IV型コラーゲンα1鎖、α2鎖、ニドゲン-2、パールカンが神経板基底膜に発現しており、神経板が神経管になる胎生8.5日ではこれらに加えてラミニンα1、β2鎖、ニドゲン-1が発現し始めることがわかった。また、胎生10.5日胚の神経管では、ラミニシα5鎖の発現が全体に低下し始める一方で、ラミニンα2、γ3鎖の発現が始まることがわかった。なお、神経管背側および底板側ではIV型コラーゲンのα5、α6鎖の発現が確認され、基底膜分子構成が部位特異的に特化し始めることが判明した。 2.RGD型基底膜分子の発現制御:我々は、新規基底膜分子QBRICKを同定し、これがRGD型インテグリンリガンドであることを既に明らかにしている。QBRICKは構造的に類縁のFras1とFrem2と複合体を形成して基底膜に組織化されるが、その一方で他のRGD型基底膜分子と発現が協調していることがわかった。実際、QBRICKノックアウトマウスでは、QBRICKだけでなく、ネフロネクチン、MAEGの基底膜での発現が消失あるいは低下していた。これらの結果は、基底膜のRGD型インテグリンリガンドの発現を統合的に制御する未知の分子機構があることを示唆している。我々はQBRICKのインテグリンリガンドとしての生理的意義を解明す るため、QBRICKのRGD配列をRGE配列に置換したノックインマウスの作製を現在進めている。
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