2007 Fiscal Year Annual Research Report
adherens junction細胞外環境のNotch情報伝達における意義
Project/Area Number |
17082009
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
松野 健治 Tokyo University of Science, 基礎工学部, 教授 (60318227)
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Keywords | Notch / エンドサイトーシス / エキソサイトーシ / adherens junction / 上皮細胞 / 細胞極性 / 0-フコシル化 / ショウジョウバエ |
Research Abstract |
Notch受容体(Notch)を介する情報伝達系(Notch情報伝達系)は、細胞と細胞の直接的な接触を介した細胞間情報伝達で機能している。Notchは、隣接した細胞の表面にある一回膜貫通型リガンドによって活性化される。興味深いことに、Notchとそのリガンドは、ともに、adherens junctionに局在している。研究代表者は、adherens junctionが、Notchの活性化に必要な、特殊な細胞外の微細環境を提供していると考えている。Notchのadherens junctionへの局在化には、Notchのエキソサイトーシスとエンドサイトーシスが関与していることを示唆する結果を得ている。本研究計画では、Notchのadherens junctionへの局在化機構を明らかにすることを目的とし、Notchのエキソサイトーシスとエンドサイトーシスに関与する遺伝子を同定する。 ショウジョウバエ・ゲノムの全遺伝子に対して、RNA干渉法を用いて遺伝子機能をノックダウンするための系統が樹立され、現在までに、約6,000の遺伝子に対するRNA干渉が可能になった(遺伝研・上田)。ショウジョウバエのハネ成虫原基で、RNA干渉法を用いてNotch情報伝達に必須な遺伝子をノックダウンし、(1)Notch情報伝達系の標的遺伝子であるwinglessの発現が抑制されること、(2)Notchの細胞内局在に異常を誘発するものを選別した。その結果、遺伝子機能のノックダウンによって、Notch情報伝達が抑制され、かつ、Notchの細胞内局在を異常にする遺伝子を20程度同定することができた。これらのうちの2つの遺伝子については、機能喪失型の突然変異を作出することに成功した。
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