2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17082010
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Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
相賀 裕美子 National Institute of Genetics, 系統生物研究センター, 教授 (50221271)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小久保 博樹 国立遺伝学研究所, 系統生物研究センター, 助教 (10270480)
高橋 雄 国立医薬品食品衛生研究所, 毒性部, 主任研究官 (60321858)
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Keywords | 体節形成 / D111 / キメラ解析 / 分節境界 / Notchシグナル / Pofut1 / Lunatic Fring |
Research Abstract |
脊椎動物の分節性(繰り返しパターン)の形成及び、分節境界の形成に関わる分子機構の解明を目指している。今年度は、体節形成におけるNotchシグナル系が細胞間相互作用を介して実際にどのような遺伝子発現を制御して体節時計や分節境界形成、体節の前後極性の確立に関与するかを検討するため、モザイク解析を行なった。対象として、Notchシグナルの受容が完全になくなるPofut1(Notch受容体の糖修飾酵素)、NotchリガンドであるDll1,Notch受容体の糖修飾酵素でNotchシグナルを制御することが知られているLunatic-Fringeの3種類のノックアウト胚を用いた。特に興味深い結果がDll1ノックアウト細胞と野生型細胞とのキメラ解析で得られ始めている。NotchシグナルのリガンドであるDll1は周囲の細胞に発現するNotchレセプターを介してシグナルを伝える。 Dll1は細胞非自立的に機能するため、野生型の細胞の存在により個体レベルでの欠損はレスキューされることが期待されたが、実際はキメラであっても、Dll1ノックアウトマウスと同様な欠損をしめした。この結果はいろいろな解釈が可能であり、現在その解析を進めている。興味深いことにDll1は細胞自立的にも機能している可能性、すなわちNotchシグナルが逆行性に入る可能性が示唆されており、これが細胞の同調性の確立に関与しているのかもしれない。現在、Dll1の細胞外及び細胞内を認識する抗体をもちいて、Dll1蛋白質の挙動に着目した解析を行なっている。
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