2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17082011
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
西脇 清二 独立行政法人理化学研究所, 細胞移動研究チーム, チームリーダー (30342827)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保田 幸彦 独立行政法人理化学研究所, 細胞移動研究チーム, 研究員 (70333325)
大蔵 清貴 独立行政法人理化学研究所, 細胞移動研究チーム, 研究員 (30415103)
伊原 伸治 独立行政法人理化学研究所, 細胞移動研究チーム, 基礎科学特別研究員 (70373272)
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Keywords | 線虫 / ADAM family / MIG-17 / 基底膜 / 抑圧遺伝子 |
Research Abstract |
1.新規変異体のマッピング 線虫のmig-17遺伝子はADAM familyに属する分泌型のメタロプロテアーゼをコードする。MIG-17蛋白質は体壁筋から分泌され、生殖巣基底膜に局在し、U字型の生殖巣の形態形成を調節する。mig-17変異体では生殖巣形態形成をリードするdistal tip cell(DTC)が幼虫期にU字型の移動を行うことができず、蛇行・迷走する表現型を示す。MIG-17と機能的に相互作用する分子を同定するために、mig-17抑圧遺伝子の解析を行っている。SNPマッピングの結果、saf-3(k185)(suppressor of ADAM family defect-3)は3番染色体上約0.2map unitの比較的狭い領域内にマップされた。現在この領域内の予想遺伝子の塩基配列解析など、変異遺伝子の同定を進めている。 2.基底膜蛋白質遺伝子の変異体の分離 我々はMIG-17が基底膜蛋白質FBL-1/fibulin-1と機能的に相互作用することにより、DTC移動を調節することを既に突き止めている。線虫のゲノム中には哺乳類で知られている基底膜分子あるいは基底膜と相互作用すると考えられる分子をコードする遺伝子が進化的によく保存されている。そこでこのような分子を逆遺伝学的に破壊し、これらの破壊株の生殖巣形成に及ぼす影響を調べている。今期、コンドロイチンプロテオグリカンのコア蛋白質NG2の相同遺伝子であると考えられる遺伝子について、欠失変異体を分離した。この変異体は形態および運動に明らかな異常は見られなかった。またヘパランサルフェートプロテオグリカンであるsyndecanの欠失変異体も分離した。この変異体はホモで少し体が小さく、DTCの移動に弱い異常が見られた。今後、これらの遺伝子とmig-17およびfbl-1との遺伝学的相互作用を検討する。
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Research Products
(2 results)