2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17082011
|
Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
西脇 清二 独立行政法人理化学研究所, 細胞移動研究チーム, チームリーダー (30342827)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保田 幸彦 独立行政法人理化学研究所, 細胞移動研究チーム, 研究員 (70333325)
伊原 伸治 独立行政法人理化学研究所, 細胞移動研究チーム, 基礎科学特別研究員 (70373272)
|
Keywords | 線虫 / ADAMTS family / MIG-17 / 抑圧遺伝子 / fibulin / nidogen |
Research Abstract |
1.新規サプレッサー変異体のマッピング 線虫のmig-17遺伝子はADAMTS familyに属する分泌型のメタロプロテアーゼをコードする。MIG-17蛋白質は体壁筋から分泌され、生殖巣基底膜に局在し、U字型の生殖巣の形態形成を調節する。mig-77変異体では生殖巣形態形成をリードするdistal tip cell(DTC)が幼虫期にU字型の移動を行うことができず、蛇行・迷走する表現型を示す。MIG-17と機能的に相互作用する分子を同定するために、mig-17変異体のDTC移動異常を回復するサプレッサー変異体の解析を行っている。SNPマッピングの結果、saf-4(tk73)(suppressor of ADAM family defect-4)は4番染色体右腕の約250kbの比較的狭い領域内にマップされた。現在この領域内の予想遺伝子の塩基配列解析など、変異遺伝子の同定を進めている。 2.サプレッサー遺伝子とnidogenの相互作用 我々はmig-17変異体のサプレッサーとして基底膜蛋白質FBL-1/fibulin-1およびLET-2/type IV collagenの優性変異を同定した。哺乳類ではfibulin-1とtype IV collagenがともにnidogenに特異的に結合することがin vitroの系で示されている。そこでfbl-1およびlet-2変異によるmig-17のサプレッションがNID-1/nidogenに依存するかどうかを遺伝学的に調べた。その結果、fbl-1によるサプレッションはnid-1依存的であるが、let-2によるサプレッションは非依存的であることが分かった。この結果からMIG-17の下流ではFBL-1が機能し、NID-1を介してLET-2に働き、最終的にDTCの正確な移動を調節するという基底膜分子間の相互作用の可能性が示唆された。
|