2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17082011
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
西脇 清二 Kwansei Gakuin University, 理工学部, 教授 (30342827)
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Keywords | 線虫 / ADAMTS family / MIG-17 / 抑圧遺伝子 / fibulin / nidogen / type IV collagen |
Research Abstract |
1.新規サプレッサー遺伝子の解析 線虫のmig-17遺伝子はADAMTS familyに属する分泌型のメタロプロテアーゼをコードする。MIG-17蛋白質は生殖巣基底膜に局在し、U字型の生殖巣の形態形成を調節する。MIG-l7と機能的に相互作用する分子を同定するために、mig-17サプレッサー遺伝子の解析を行っている。この中のーつは以前当研究室でクローニングを行ったmig-22遺伝子(コンドロイチン重合因子)の機能獲得型変異であった。mig-22(sup)変異体について、コンドロイチンの量を測定したところ、野生型と変わらないことが分かった。この結果は進化的に保存されているコンドロイチン重合因子が、コンドロイチンの生合成以外に基底膜の機能制御に何らかの役割を果たしている可能性を示唆する。 2. GON-1/ADAMTSとfibulinの相互作用 線虫のgm-1/ADAMTSとfbl-1/fbulin-1(基底膜タンパク質)遺伝子の機能喪失型変異は、生殖巣形成のリーダー細胞の移動が途中で停止してしまうために短い生殖巣となる。しかしながら、gom-1とfbl-1の二重変異体は互いにサプレスし正常に近い生殖巣を形成することから、野生型ではこれらの遺伝子は互いに拮抗的に働いていると考えられる。fbl-1変異体の生殖巣形成異常を抑圧する変異体を分離したところ、type IV collagen α 1鎖をコードするemb-9のアミノ酸置換変異が同定された。emb-9(sup)は機能獲得型の変異としてfbl-1をサプレスしたが、gon-1に対しては劣性の機能喪失型のエンハンサーであることが分かった。これらの結果からfbl-1はemわ-9によるgon-1の活性化を抑制することにより、間接的にgon-1を抑制している可能性が示唆された。
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