2007 Fiscal Year Annual Research Report
日中通俗文芸の体系化を目的とした先駆的研究-小説・芸能を中心論題として
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17083002
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
勝山 稔 Tohoku University, 大学院・国際文化研究科, 准教授 (80302199)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高西 成介 高知女子大学, 文化学部, 准教授 (50316147)
川島 優子 龍谷大学, 文学部, 専任講師 (30440879)
塩 卓悟 関西大学, アジア文化交流研究センター, 非常勤講師 (80449826)
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Keywords | 『西遊記』 / 『紅楼夢』 / 『今古奇観』 / 井上紅梅 / 『金瓶梅』 / 田中貢太郎 / 内藤湖南 / 佐藤春夫 |
Research Abstract |
平成19年度は論文集の刊行など活発な活動を行った。班全体の活動としては(1)にんぷろワークショップ「日中文学に見える受容の様相」(7月21日)(2)吹田市民会館(1月14日)を開催し、静永健(九州大)・佐々木睦(首都大学東京)・森中美樹(安田女子大)を招請、『竹取物語』『西遊記』『紅楼夢』の受容について討論する一方、勉誠出版から『アジア遊学』特集号「日本庶民文芸と日本」を刊行班員を含め二〇名の研究者による論文集を刊行した。各班員の個別研究は以下の通り。 (勝山)「中国短篇白話小説の日本への受容」について、戦中期・終戦直後の状況調査のため滋賀県立大学・日本近代文学館・国立国会図書館等で収集を行ったほか、江戸・明治時代の調査を蓬左文庫・富山大学付属へルン文庫・青森県立図書館で実施。ワークショップ「日本宋史研究の現状と課題」及び吹田市民会館で1940年代における白話小説受容の動向について学会発表を行い、論文も4本公刊した。 (川島)基本図書購入等の研究環境整備と、日本における『金瓶梅』の受容の在り方が窺える注釈本、訳本、翻案小説、漫画、などの蒐集及び読解に専念した。また唯一現存する江戸時代に作られた『金瓶梅』の訓訳本(鹿児島大学付属図書館玉里文庫所蔵)の閲覧、調査を行った。 (塩)『太平広記』『夷堅志』の解読作業を行うとともに、『太平広記』が近代以降いかに受容されていたのかを、内藤湖南を例にあげつつ研究を進め、関西大学内藤文庫、鹿角先人顕彰館、国立国会図書館、東洋文庫、蓬左文庫、中国国家図書館などでの調査を実施した。 (高西)文言小説関係の資料収集を継続する一方、明治から昭和初期にかけての文言小説の受容を調査した。中でも大正時代に活躍した田中貢太郎に注目し、中国の怪奇小説の関係に関して検討を行った。また『太平広記』の中から「海」や「川」「湖」など水辺に関わる文言小説を抽出し、読解する作業も並行して行っている。また寧波・盧山(〓陽湖)・長沙などで現地調査と資料収集を行った。
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Research Products
(11 results)