2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17083004
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小島 毅 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 准教授 (90195719)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
保立 道久 東京大学, 史料編纂所, 教授 (70092327)
近藤 成一 東京大学, 史料編纂所, 教授 (90153717)
山内 弘一 上智大学, 文学部, 教授 (40166575)
陶 徳民 関西大学, 文学部, 教授 (40288791)
伊東 貴之 国際日本文化研究センター, 教授 (20251499)
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Keywords | 宋史 / 高麗史 / 大日本史 / 王権 / 礼史 / 朱子学 / 水戸学 / 正史 |
Research Abstract |
研究代表者および分担者おのおのの分担課題にもとづく作業を継続し、必要な調査旅行や研究補助者への謝金、冊子作成などをおこなった。20年度に開催した国際フォーラムの成果として、復旦大学との共同編集の形で中国語で『東亜的王権与政治思想』を刊行した。 また、研究最終年度にあたるため、共同研究としての取りまとめ作業を進め、研究成果論文集を制作するための準備会議を開催し、その方針や時期について検討した。本特定領域研究全体で各計画研究の成果を総覧できるものとして、文部科学省に提出する成果報告冊子と、別途制作刊行する叢書との二種類が作成されるのにあわせて、それぞれに関する準備作業をおこなった。 具体的には、最終的な共同研究成果を、日本史の文脈から比較して捉えなおす試みとしてまとめることとした。そのために、研究分担者間の意見交換を行い、朱子学の浸透過程における禅仏教の受容形態が、中国・韓国と比べたときの日本の特殊性を示すものであること、禅と旧来の仏教との力関係に焦点をあてることなどが確認された。そのうえで、あらためて後醍醐天皇およびその前後の時期に着目することとし、西暦13~15世紀の東アジア三カ国の王権理論を核に据えて成果の取りまとめをおこなった。中国では元と明における王権の変質の問題、朝鮮では高麗から朝鮮への王朝交替と朱子学の興隆の問題が扱われ、日本の南北朝並立とそれに対する後世の歴史認識が生みだした正閏論が検討対象となった。 しかしながら、ウェブによる研究成果公開のためのシステム構築とデータ作成作業が遅延したため、成果報告書作成のために、これらを年度繰越して22年度において作業した。
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