2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17083006
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
河澄 響矢 The University of Tokyo, 大学院・数理科学研究科, 准教授 (30214646)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡本 和夫 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (40011720)
小松 彦三郎 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 名誉教授 (40011473)
渡邉 純成 東京学芸大学, 教育学部, 助教 (10262221)
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Keywords | 西学東漸 / 数学史 / イエズス会 / 満洲語 / 格体全録 / 満文性理精義 / 大成算経 / 關流四伝書 |
Research Abstract |
(1)満文自然科学書と清代前期の西欧科学受容は、平成18年度までに収集した『満文算法纂要総綱』前半、仏国立図書館所蔵『満文痘疹薬書』、平成19年度に収集した内蒙古国家図書館所蔵『満文幾何原本』部分などの電子入力を行なった。数学書については大意の和訳を与え、『満文算法原本』と併せて相互の論理的依存関係、満洲語数学術語の変遷を追跡した。また、前年度における『格体全録』の研究成果と併せて、数学書・解剖学書がともに、西欧的素材の中国的再配列という点で共通することを見出した。医学書については、江戸医学館旧蔵書などを用いて、翻訳の資料源となった中国医学書を同定するなど、先行研究における書誌データの修正を着実に進めつつある。(2)満文自然科学書の語法・語彙を解明するため、満文儒学・性理学書を収集し、『満文性理精義』については2/3を電子入力した。儒学・性理学文献の満洲語への翻訳の言語面に関する時代的変遷め大枠を解明し、重点項目「訓読の思想文化」に満洲旗人の言語文化からの視点を齎した。(3)朝鮮思想班及び領域外の研究者と共同して、和算の最大の流派「関流」の成果の集成である『関算四伝書』の初めの1/4を、影印出版した。(4)『大成算経』について、術語の解明に重点を置いて、1,4,10,16,17の各巻の暫定的な書き下し文を作成した。(5)国立科学博物館にて開催された「日本の科学者・技術者展7-数学・日本のパイオニアたち」展の企画・展示物作成に参与し、日本の数学を東アジアの中に位置づける観点から展示を構成した。
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