2006 Fiscal Year Annual Research Report
五山文学における宋代詩文の受容と展開-詩文集の注釈と詩話を中心に-
Project/Area Number |
17083014
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
浅見 洋二 大阪大学, 大学院文学研究科, 助教授 (70184158)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内山 精也 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (20275019)
堀川 貴司 鶴見大学, 文学部, 教授 (20229230)
住吉 朋彦 慶應義塾大学, 附属研究所斯道文庫, 講師 (80327668)
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Keywords | 五山文学 / 宋代 / 詩文集 / 注釈 / 詩話 |
Research Abstract |
本研究は、日本の五山文学において、中国宋代の詩文がどのように受容されていったか、主として詩文集に附された注釈と詩話を取りあげ、日本文学と中国文学双方の視点から研究するものであり、1 中国宋代の詩文集注釈と詩話の編纂状況を明らかにすること、2 それら文献資料の五山文学における受容状況を整理・検討するとともに、それらがどのように加工・増修されたか、そして日本独自の詩文注釈・詩話の形成にどのように関わっていたかを明らかにすることを目的として行われる。 本年度は、全体の基礎となる研究に重点を置いて行った。特に、1 中国宋代における詩文集注釈および詩話の編纂状況、2 五山文学における中国宋代の詩文集注釈および詩話の受容状況を整理・検討する文献学的研究が中心課題となった。また、全体で行う五山における抄物資料の訳注に着手した。 5月には、宋代詩文研究談話会を宋代詩文研究会、宋詞研究会と合同で開催し、詩文を中心とする宋代文学を多角的な視点から考察した。個別の研究として、浅見は、五山の詩僧義堂周信、絶海中津に関する研究を行なった。内山は、五山後期の還俗僧万里集九に関する研究を行なった。堀川は、中世・近世の日本漢文学、特に中国文学の日本における受容に関する研究を行なった。住吉は、室町期受容詩学書類の版本調査を行なった。 また、四名それぞれが国内および中国・米国の研究機関・所蔵機関に調査に赴いて資料調査を行うとともに、11月には全体の研究集会を開催してそれぞれの研究成果を持ち寄り、相互に検討を加えた。 それぞれの研究成果については学術誌等に発表するとともに、同領域の他の研究班と合同の研究集会において発表した。
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