2006 Fiscal Year Annual Research Report
「東アジアの海域交流と日本伝統文化の形成」調整班C01:文化交流研究部門
Project/Area Number |
17083022
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
井手 誠之輔 九州大学, 大学院人文科学研究院, 教授 (30168330)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 楽章 九州大学, 大学院人文科学研究院, 助教授 (10332850)
静永 健 九州大学, 大学院人文科学研究院, 助教授 (90274406)
伊藤 幸司 山口県立大学, 国際文化学部, 助教授 (30364128)
森平 雅彦 九州大学, 大学院人文科学研究院, 助教授 (50345245)
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Keywords | 寧波 / 海域交流圏 / 日中文化交流 / 中国というシステム |
Research Abstract |
1)調整班会議の開催 不定期ながら、12月の国際シンポジウムの開催に向けた準備会議を3回開催した。また次年度以降の計画概要について協議し、2007年7月21日(土)、22日(日)の予定で、集中的なワークショップを九州大学で開催することを決定し、その準備にとりかかることにした。 2)国際シンポジウムの開催 平成18年12月16日(土)、17日(日)を会期として、国際シンポジウム「寧波の美術から海域交流を考える」を開催した。この国際シンポジウムは、美術作品を如何に歴史資料として活用するかという観点から、寧波をめぐる美術について、国内外の美術史、歴史、文学の領域を横断する国内外の研究者18名が、講演と報告、討論を行った。シンポジウム全体は、「第1セッション:入宋僧と寧波文化」と「第2セッション:入明使の視界」という二つのセッションによって構成し、第1セッションでは、寧波が明州・慶元府と呼ばれた南宋時代を中心に、先進的な仏教文化の移入に努めた入宋僧の活動から、当時の文化交流の実際を検討し、第2セッションでは、明時代を中心に、寧波を経由して北京を訪問した入明使の視界から、南宋時代とは異なる寧波という場の役割を考えることとした。また本シンポジウムでは、地域社会における学問拠点との連携、モノ資料の多角的な活用法の確立、学術的成果の社会への還元という3つの課題を実践するため、1)九州国立博物館との共同主催、2)シンポジウムに関わる文化財の展示、3)-般参会者の募集など、本研究ならではの新しい取り組みを具体的に実現することを企図した。とくに21件の展示品をとおして、シンポジウムと関連する美術作品の実物を会期中に観覧できたことは、言説空間とモノ空間との双方をシンポジウムという企画の中で立ち上げ、文化交流におけるモノの役割を具体的に認知する上で、大きな効果が認められた。なお、本シンポジウムの全容は、次年度において報告書の刊行をとおして開示する予定である。なお本国際シンポジウムについて、HPを立ち上げて情報を網羅した。 (http://www.lit.kyushu-u.acjp/aesthe/sympo2006/sympo_index.html)
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Research Products
(5 results)