2006 Fiscal Year Annual Research Report
中国思想文献の近世日本社会への伝来とその流通-新儒教と医学思想の文献を中心として
Project/Area Number |
17083034
|
Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
恩田 裕正 東海大学, 海洋学部, 助教授 (70307297)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
垣内 景子 明治大学, 文学部, 助教授 (40298047)
長谷部 英一 横浜国立大学, 大学院環境情報研究院, 助教授 (00251380)
永冨 青地 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (50329116)
難波 征男 福岡女学院大学, 人文学部, 教授 (40141767)
|
Keywords | 国際研究者交流 / 中国哲学 / 中国医学 / 朱子学 / 陽明学 / 漢方 / 中国:アメリカ |
Research Abstract |
昨年度に引き続き研究対象とする個々の思想家・医学家の基本テクストに関する資料の調査・収集・整理を行い、その一部にっいて訳注作成作業を進めた。 前者については、永冨・難波を平成18年8月に中国安徽・四川省、平成19年2月に台湾に派遣し、安徽省博物館、四川大学、四川省図書館、台湾・故宮博物院等の調査を行い、王守仁・陽明学関係の資料を収集し、整理を行った。これまでの調査によって得られた知見も盛り込んだ単著を永冨が平成19年3月に刊行する予定である。また、永冨・難波は、平成18年9月に中国湖南省で開催された第1回周敦噸国際学術思想研討会に司会等で参加し、これまでの研究成果を披瀝した。 後者について、朱子学関係においては、垣内・恩田が『朱子語類』巻一〜三の訳稿の修正を続け、本年度内でほぼ終了した。現在刊行準備中であり、これが本科学研究費補助金における『朱子語類』の訳注の雛型となる。 また、医学-思想領域においては、長谷部を中心に恩田が加わり朱震亨『格致余論』の訳注作成を昨年度に引き続き行った。平成18年7、10、12月の3回にわたって横浜国立大学において研究組織外の研究者・大学院生も交えて訳注の検討会を開き、「倒倉論」「左大順男右大順女論」「茄淡論」「天氣属金説」「張子和攻撃注論」の諸編についてその訳注の検討を行い、『格致余論』の訳稿の第1稿が出そろった。 その他、朝鮮思想班と共催で第1回東アジア医学史検討会を平成19年1月に東京大学文学部で主催し、秦玲子氏(米国ウイスコンシン大学オークレア校)、朱建平氏(中国中医科学院医史文献研究所)の研究発表を行った。なお、秦玲子氏は『格致余論』の訳注の担当者でもある。 この他、他研究組織の研究者との平成19年度における共同研究集会開催について検討と打ち合わせを行い、その準備に着手した。
|
Research Products
(10 results)