2009 Fiscal Year Annual Research Report
中国思想文献の近世日本社会への伝来とその流通―新儒教と医学思想の文献を中心として
Project/Area Number |
17083034
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
恩田 裕正 Tokai University, 清水教養教育センター, 准教授 (70307297)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
垣内 景子 明治大学, 文学部, 教授 (40298047)
長谷部 英一 横浜国立大学, 大学院・環境情報研究院, 准教授 (00251380)
永冨 青地 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (50329116)
難波 征男 福岡女学院大学, 人文学部, 教授 (40141767)
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Keywords | 中国哲学 / 中国医学 / 朱子学 / 陽明学 / 漢方 / 国際研究者交流 / 中国:韓国 |
Research Abstract |
研究期間の最終年度であるので、これまでの研究成果をまとめ、公表するシンポジウムを主催した。ただし、研究は今後も継続されるため、研究対象である基本テクストに関する調査及び訳注作成等は昨年度までと同様に行つた。 海外における資料調査については、永冨が平成21年7月に上海・寧波、平成21年8月、12月、平成22年2月に北京の大学・図書館・博物館等において陽明学関係資料の調査を、難波が平成21年8月に韓国の紹修書院・陶山書院・屏山書院において書院関係資料の調査を行った。 訳注作成については、朱子学関係において、恩田が『朱子語類』巻8・巻94(宋明研究会)、垣内が同書巻116(『朱子語類』訓門人研究会)の訳注を発表した。同時に、平成22年度刊行予定の同書巻8(恩田)、巻12・13(垣内)の訳注稿の作成を進めた。また、医学-思想領域においては、長谷部が先に刊行した研究報告「朱震亨『格致餘論』訳注1を平成22年に刊行するための修訂作業を継続して行つた。 学会発表等については、垣内が平成21年8月に北京で行われた第1回「中日学者中国古代史論壇」において第3部の司会を務めた他、これまでの研究成果の発表を行い、永冨が平成21年7月に寧波・天一閣博物館、11月に台湾・東呉大学で行われた学術集会においてこれまでの研究成果を発表した。 平成17年度以来の研究活動をまとめ、その研究成果を公表する意味で、平成21年10月に「東アジア前近代の学校と教育に関する国際シンポジウム」を岡山県青少年教育センター閑谷学校で開催した。これにより、研究目的の一つである新儒教思想を基盤にした教育の東アジアにおける拡がりや中国的思惟と近世日本社会との関係の一端について明らかにすることができた。なお、このシンポジウムには多数の市民の方が参加されたことから、本班の研究成果の社会還元として一定の意味があったといえる。
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Research Products
(17 results)