2008 Fiscal Year Annual Research Report
地方志及び碑記の史料論的解析を主とした近世中国東南沿海地方の地域性と歴史性
Project/Area Number |
17083036
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
須江 隆 Nihon University, 生物資源科学部, 准教授 (90297797)
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Keywords | 中国近世史 / 史料論 / 地方志 / 石刻史料 / 碑文学 / 中国東南沿海地方 / 国際研究者交流 / 多国籍 |
Research Abstract |
本年度は前年度の発展的研究作業を継続し、それらをベースとする研究成果を積極的に内外に発信した。具体的な研究実績は以下の通り。 1. 前年度までの基礎的研究を踏まえ、研究代表者の須江が地方志の系統的分析に加え、序跋文や長期間記録された言説についての史料論的解析を石刻史料と関連づけて行い、連携研究者の伊原弘(城西国際大学・国際人文学部)が地方志中の叙述や石刻史料から詳細な都市図復元作業を試みた。これらの研究により、寧波府や建康府の地域性や地方志・碑記の史料性解明に資する顕著な成果を得た。 2. 文献資料研究部門主催の国際シンポジウム「寧波とその周辺一地方文献に見える史料性・地域性・歴史性-」を本研究班が企画し、地方志・碑記等の解析を主とした史料論及び社会史研究に関する成果を刊行物で公表した。本シンポジウムには、海外研究協力者のTJ Hinrichs, Joseph Dennis, Anne Gerritsenの3氏に加え、柳立言,Alain Arraultの2氏が招聘され、多国籍からなる国際学術・研究者交流が大々的に推進された。国内開催の中国学分野の国際シンポジウムとしては、画期的な企画であった。 3. 須江・伊原が、将来的に、大韓民国の研究者との学術交流を進めるための打合せを行うとともに、東アジア海域交流に密接に関わる朝鮮半島の史跡を巡見した。 4. 当該領域が設定した重点項目(い)「寧波を中心とした記録保存の社会文化史」研究会へ積極的に参画し、共同研究としての成果発信に向けて、領域内の他部門・他班の研究者と密に協議を行った 5. 一般国民への研究成果発信のための広報活動として、伊原は、朝日カルチャーセンターにて複数回の講演を担当するとともに、NHKの番組「探検ロマン世界遺産」の「ふるさとは謎の建造物-中国・福建土楼群-」に資料提供を行った。
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Research Products
(18 results)