2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17084002
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
長谷 あきら 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40183082)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
望月 伸悦 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (60280939)
鈴木 友美 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (10362435)
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Keywords | 遺伝子 / 細胞・組織 / シグナル伝達 / 植物 / 蛋白質 |
Research Abstract |
我々は、これまでの研究でシロイヌナズナのphot2の細胞内分布が光条件により変化することを見いだした。そこで、青色光照射後にphot2-GFPが細胞質で示す顆粒状分布について、内膜系マーカータンパク質との共局在を蛍光顕微鏡観察により調べ、phot2の一部が光照射により細胞膜または細胞質からゴルジ体に移行することを示した。この応答の光強度依存性は、phot2の生理反応とよく一致していた。さらに、発色団を結合するN-末端側領域とキナーゼ活性をもつC-末端側領域をそれぞれ単独で発現させた場合の細胞内分布を調べ、キナーゼ領域がフォトトロピンの細胞内分布の決定において重要な役割を果たすことを示した。さらに、phot2のシグナル伝達におけるキナーゼ領域の役割を調べるために、この領域のみをシロイヌナズナで発現させ、その生理活性について検討した。その結果、キナーゼ領域を発現させた植物では明暗に関わらず気孔が開口していることが明らかとなった。また、葉緑体についても逃避運動を起こしている可能性が示唆された。従って、phot2のキナーゼはそのままでシグナルを伝達する活性をもつことが示された。これらの研究と並行して、フォトトロピンと物理的に相互作用する因子の解析を進めた。酵母Two-hybrid法により取得された相互作用因子のうち、phot1、phot2両者と相互作用するARF1(ADP ribosylation factor 1)について詳しい解析を進めた。現在、ARF1のフォトトロピン応答に対する関与を証明するため、ARF1の発現を人為的に誘導できる形質転換植物の作出を進めている。また、主にphot1と相互作用する因子として取得されたKAT1(内向K+チャネル)について、その細胞内分布やフォトトロピン応答への関係について調べた。
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Research Products
(3 results)