2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17084002
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
長谷 あきら 京都大学, 理学研究科, 教授 (40183082)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
望月 伸悦 京都大学, 理学研究科, 助教 (60280939)
鈴木 友美 京都大学, 理学研究科, 助教 (10362435)
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Keywords | 遺伝子 / 細胞・組織 / シグナル伝達 / 植物 / 蛋白質 |
Research Abstract |
フォトトロピンは、光屈性や葉緑体低位、気孔開口など多様な光応答の受容体である。本研究では、フォトトロピンが膜タンパク質であることに注目し、フォトトロピンのシグナル伝達機構の解明を目指す。これまでの我々の研究により、フォトトロピンと小胞輸送に関わるGタンパク質であるARF1が特異的に結合することが明らかになった。そこで本年度は、ARF1の細胞内局在解析をもとに、フォトトロピンによる小胞輸送制御の解明に取り組む。また、ARF1の細胞内局在が光やフォトトロピンの制御を受けるかどうか、検討した。また、大阪府立大の徳富哲教授らの研究グループと共同で、試験管内でARF1がフォトトロピンによってリン酸化されることを示した。さらに、葉緑体運動や気孔開口、葉の形態形成制御にARF1が関与するかどうかを、ドミナント・ネガティブ型の変異ARF1を発現する形質転換植物で調べ、ARF1が確かにフォトトロピンの下流で機能することを確かめた。また、ロゼット葉の異なる組織でフォトトロピンを発現する植物について、フォトトロピンによる光応答を解析し、柵状組織の発達は葉肉細胞のフォトトロピンが、葉の扁平性制御には葉の表皮のフォトトロピンが制御していることを明らかにした。さらに、フォトトロピンの下流でシグナル伝達因子として機能している可能性がある膜リン脂質輸送体フリッパーゼについて、植物フリッパーゼの生理機能を欠損変異体を用いて調べた。その結果、フリッパーゼの一つ、ala3変異体で気孔が開きにくくなる表現型が観察された。以上の研究により、フォトトロピンのシグナル伝達機構について、様々な知見が得られた。
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Research Products
(29 results)