2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17084005
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
島崎 研一郎 Kyushu University, 大学院・理学研究院, 教授 (00124347)
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Keywords | 気孔 / フオトトロピン / 青色光 / 情報伝達 / H^+-ATPase |
Research Abstract |
本年度は、フォトトロピン2の自己リン酸化に注目し、以下の成果を得た。 青色光受容体フォトトロピン(phot1, phot2)は光屈性, 葉緑体定位運動, 葉の平坦化, 気孔の開口等の生理応答を誘導する。シロイヌナズナのphot1は青色光に依存してキナーゼドメインのアクティベーションループが自己リン酸化され、これが上記の生理応答に共通して必要であることが解明されたが、phot2に関してはこの部位のリン酸化の生理学的意味は明らかでない。 まず、このphot2のリン酸化部位の決定を、免疫沈降により単離したphot2に対して行った。phot2のリン酸化によるモビリティシフトはphot1より大きく、多くのリン酸化部位が予測された。実際、phot2のN-末、LOVドメインのヒンジ領域など20以上のリン酸化部位が見いだされた。残念ながら、最も機能に関連するアクチベーションループの部位には見出せなかった。おそらく、適当なリン酸化断片が得られない事が原因であると考えられる。しかし、機能に関連することの予想されるアクティベーションループに保存されたSer-761とSer-763をAlaに置換したphot2をphotlphot2二重変異株に導入し、変異phot2がフォトトロピンの生理応答を正常に誘導できるか調べた。Ser-761とSer-763がAlaに置換された形質転換植物ではphot2応答がすベて抑制されたが、Aspに置換された形質転換値物ではphot2応答がほとんど正常に誘導された。以上の結果は、phot2においても青色光に依存したキナーゼアクティベーションループの自己リン酸化が下流への情報伝達に必要で、phot1とphot2の間で共通に必要な生化学ステップであることを示唆している。
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