2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17084007
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
飯野 盛利 大阪市立大学, 大学院理学研究科, 助教授 (50176054)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高野 誠 農業生物資源研究所, 生理機能研究グループ, チーム長 (20355754)
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Keywords | イネ / 運動 / フォトトロピン / 光屈性 / 光シグナル伝達 |
Research Abstract |
本研究は、イネの光運動に関与するシグナル伝達機構を明らかにすることを目的とする。本年度は光屈性の研究を進展させて、以下の成果を得た。(1)幼葉鞘先端特異的な光屈性が欠損したcpt2突然変異体の原因遺伝子(CPT2)をマップベースクローニングにより第2染色体の約300kbの範囲に絞り込んだが、この領域は組み換え率が極端に低く、原因遺伝子の更なる絞込みは困難になった。この結果を受けて、cpt2突然変異体のBACクローン・ライブラリーを作成した。上記領域を含むcpt2突然変異体のBACクローンを分離し、その配列解析から候補遺伝子を絞り込む予定である。(2)イネの2つのフォトトロピン1遺伝子(OsPHOT1a、b)およびフォトトロピン2遺伝子(OsPHOT2)の発現が抑えられたRNAi形質転換体のT2世代種子を収穫し、その解析からホモ系統を分離した。ホモ系統の種子を用いて光屈性の光強度-反応曲線を解析し、フォトトロピン1は光屈性の主要な光受容体であることを確認した。(3)PHOT1aとPHOT1bの2重突然変異体の分離。Tos17挿入系統から分離したphot1a突然変異体の種子にガンマー線を照射し、M2種子をスクリーニングして2重突然変異体(phot1a phot1b)を分離した。M3種子を用いて、2重突然変異体の幼葉鞘は光屈性をほとんど示さないことを確認した。次世代で種子数を増やし、より詳細な解析を行う予定である。(4)フィトクロムA〜Cの突然変異体を用いて、光屈性に関与するフォトトロピン・シグナル伝達系はフィトクロムの制御を受けていることを確認した。(5)アフリカイネ(Oryza glaberrima)はジャポニカイネよりも強い光屈性を示すことを利用して、光屈性の光量-反応関係を解析し、これまで他の材料で明らかにされた反応に加え、新たな反応を同定した。
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Research Products
(5 results)