2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17084007
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
飯野 盛利 Osaka City University, 大学院・理学研究科, 准教授 (50176054)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高野 誠 農業生物資源研究所, 生理機能研究グループ, チーム長 (20355754)
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Keywords | イネ / 運動 / フォトトロピン / 光屈性 / 光シグナル伝達 |
Research Abstract |
主に次の研究成果を得た。(1)イネの2つのPHOT1遺伝子(PHOT1a,b)が欠損した2重突然変異体および両遺伝子の発現を抑えたRNAi形質転換体を用いて光屈性の詳細な光強度-反応曲線を解析して,幼葉鞘と幼根の光屈性はphot1に依存し,phot2はほとんど関与していないことを明確にした。これらのイネ突然変異体、形質転換体を用いて,青色光依存の気孔開口および葉身運動とフォトトロピンの関係を解析する研究に着手した。(2)cpt2突然変異体(幼葉鞘の光屈性が特異的に低下した突然変異体)の原因遺伝子をマップベースクローニングにより82個の新規予測遺伝子が含まれる280kbの領域まで絞り込んだが,この領域は組み換え率が低いため,マップベースクローニングによる更なる絞り込みは困難になった。そのため,cpt2突然変異体ゲノムのBACクローンライブラリーから上記領域を含むクローンを分離し,領域の全配列を解読して,2つの候補遺伝子にまで絞り込んだ。その一つは葉緑体移行シグナルとキナーゼ領域をもつ遺伝子であった。この結果を受け,相補性検定のための形質転換体作出に着手した。(3)lazy1突然変異体では重力屈性の低下によって光屈性が増強されることを利用して,パスル光による光屈性の光量反応曲線の解析を可能にした。この光量反応曲線には,主要なピーク(従来の1次正屈曲)に加え,低光量側と高光量側にもピークが存在することが判明した。1次正屈曲は暗培養した芽ばえでも観測されるが,低光量側と高光量側の反応,および照射時間に依存する光屈性(従来の2次正屈曲)には赤色光前照射が必要なこと(フィトクロムに依存すること)が明確になった。これらの反応成分とフォトトロピンおよびCPT1との関係を明確にするために,lazy1と光屈性関連突然変異体との2重・3重突然変異体を作出する作業を進めた。
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Research Products
(4 results)