2005 Fiscal Year Annual Research Report
植物運動制御を担うLOVタンパク質の分子構造とシグナル伝達初期過程
Project/Area Number |
17084008
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
徳富 哲 大阪府立大学, 理学系研究科, 教授 (90142009)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉原 静恵 大阪府立大学, 理学系研究科, 助手 (20382236)
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Keywords | 植物 / 青色光受容 / フラビンタンパク質 / 光反応 / シグナル伝達 |
Research Abstract |
植物青色光受容体の一つフォトトロピンは、光屈性、葉緑体光定位運動、気孔開口、葉の伸展運動など、光合成効率を、個体、器官、細胞レベルで最適化反応光制御の受容体として重要な役割を果たしている。フォトトロピンはN-末端側にLOVと呼ばれる光受容ドメインを二つ(LOV1、LOV2)もちC-末端側はセリン/スレオニンキナーゼとなっていて、光制御キナーゼとして働くと考えられている。同キナーゼに関して、これまで、自己リン酸化しか知られていなかったが、自身以外にも同キナーゼの一般的基質であるカゼインをリン酸化する能力を有することを初めて証明し、この系を用い、LOV2が光活性制御のメインスイッチとしてとして働き、LOV1はその光感度鈍化を行っていることを見つけ両者の役割分担を明らかにした。各LOVドメインは発色団としてFMNを1分子非共有結合で保持している。青色光照射にともないLOVドメインのFMNは、暗状態(D450)から励起1重項状態を経て系間交叉により励起三重項中間体(L660)を形成し、さらにLOVドメイン内に保存されたシステインと付加物を形成する。(S390)は緩和過程を経てD450に戻る。名工大・工グループと共同で、低温振動分光によりD450でシステインのS-Hがプロトン化してチオール状態にあることを報告していたが、さらにL660でもプロトン化していることを見つけ付加物形成反応機構解明に関する情報を得た。さらにアミドI伸縮振動の光照射による変化から、2次構造変化においてLOV2とLOV1に大きな違いがあることを見つけ、両者間の機能の違いの分子的基盤解明に有用な情報を与えた。さらに京大・理グループと共同で、過渡回折法によりLOV2とキナーゼドメインとの間の部分で、大きな構造変化が起きていることを見つけ、キナーゼ活性制御との関連を議論した。
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[Journal Article] Reconstitution of blue/green reversible photoconversion of a cyanobacterialphotoreceptor, PixJ1, in phycocyanobilin producing E.coli.2006
Author(s)
Yoshihara, S., Shimada, T., Matsuoka, D., Zikihara, K., Kohchi, T., Tokutomi, S.
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Journal Title
Biochemistry 45
Pages: 3775-3784
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