2005 Fiscal Year Annual Research Report
希ガスをトレーサーとした太平洋における海洋循環の解明
Project/Area Number |
17101001
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐野 有司 東京大学, 海洋研究所, 教授 (50162524)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤尾 伸三 東京大学, 海洋研究所, 助教授 (00242173)
高畑 直人 東京大学, 海洋研究所, 助手 (90345059)
田中 潔 東京大学, 海洋研究所, 助手 (20345060)
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Keywords | ヘリウム同位体 / 希ガス濃度 / 深層海洋循環 / トレーサー / 係留流速計 / 数値シミュレーション |
Research Abstract |
海水から溶存気体を抽出し、希ガスを精製、ヘリウムを分離するための超高真空ラインを設計し作成した。真空ラインには、希ガス以外の化学的に活性な気体である、酸素、水素、窒素、二酸化炭素などを吸着するチタン・ゲッターを備えている。また精製した希ガス元素を分離するための極低温活性炭トラップも備えている。また、ヘリウム同位体比測定用質量分析計を導入した。装置のインストールを続行中である。東京大学海洋研究所運用の研究船淡青丸を用いて、日本海において予備的調査を行った。海水試料は深度別にニスキン採水器を用いて採取した。海水試料は船上で銅チューブに封じ込めて保管し、陸上の実験室に持ち帰ってヘリウムなどの希ガス濃度を分析した。2003年度の南太平洋の航海で採取した海水試料のヘリウム同位体比を理学部附属地殻化学実験施設のヘリウム用質量分析計で測定しその結果を論文として発表した。また、海水中のすべての希ガス(ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン)濃度を測定する分析システムを作成し、その基礎的な性能を発表した。深層循環の数値シミュレーションを行うため,米国National Oceanographic Data Center発行のWorld Ocean Atlas 2004の1/4度高解像度データに基づく診断モデルを作成し,予備的な計算を行った。また,東京大学海洋研究所運用の研究船白鳳丸で係留流速計の回収を行い,いくつかの測線において水塊特性量の測定と降下式音響ドップラー流速計による測流を行った。モデルの結果は,得られた観測データとよい一致を示している。さらに,深層流の長期変動を調べるため,同航海において,東北沖に4系の係留系を設置した。
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Research Products
(4 results)