2008 Fiscal Year Annual Research Report
異種原子位置交換型水平原子操作の制御条件と機構の解明
Project/Area Number |
17101003
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
森田 清三 Osaka University, 大学院・工学研究科, 教授 (50091757)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿部 真之 大阪大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (00362666)
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Keywords | 原子間力顕微鏡 / 交換型垂直原子操作 / 水平原子操作 / 原子識別 / フォース・スペクトロスコピー / フォース・マッピング / 国際研究者交流 / スペイン:チェコ |
Research Abstract |
1.異種原子交換型「垂直」原子操作の機構解明を行った。具体的には、原子間力顕微鏡の探針先端に存在する原子を、単原子ペンの原子インクのように、試料表面に埋め込む(我々が発見した)異種原子交換型垂直原子操作の現象を、第1原理計算の理論シミュレーションで解明することに成功した。その結果、探針先端原子と試料表面原子が交換する直前にダイマー状態を経由することや、温度の影響などについて重要な知見が得られた。 2.Si(111)-(7x7)表面のSiアドアトムを隣接する空孔に水平原子操作できる確率を室温で精密に調べて、探針誘起の方向性を制御した熱拡散の確率から拡散バリアー高さの探針誘起変化を実験的に求めて、水平原子操作の温度効果の室温での検証に成功した。さらに、探針先端に原子レベルの非対称性が存在すると、操作の方向に依存した原子間の結合力の相違により、水平原子操作確率に相違が生ずることを明らかにした。 3.多元素系の原子クラスタ・原子ワイヤを原子操作手法で組み立てるための基礎研究として、Si(111)-(7x7)上に蒸着したSi原子やSn原子が室温でハーフ・ユニット内に閉じ込められて動き回るのを制御して、二量体や三量体を作成する原子操作実験に成功した。 4.フォース・マッピング法を(Si, Pb, Sn)/Si(111)-(√<3>×√<3>)表面の原子識別実験に適用した。その結果、Si, Pb, Snの3元素をフォース・マッピングで識別することに成功した。また、この手法を発展させて、原子の識別を簡単に高速に行える方法の開発に成功した。
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Research Products
(48 results)