2009 Fiscal Year Annual Research Report
異種原子位置交換型水平原子操作の制御条件と機構の解明
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17101003
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
森田 清三 Osaka University, 工学研究科, 教授 (50091757)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿部 真之 大阪大学, 工学研究科, 准教授 (00362666)
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Keywords | 原子間力顕微鏡 / ハーフ・ユニット間原子移送 / Pb-Pbダイマー分子 / ペア(K)原子操作 / Si_4テトラマー / 局所的接触電位差(LCPD) / 国際研究者交流 / スペイン:チェコ:ドイツ |
Research Abstract |
1. Si(111)-(7×7)上に蒸着したPb原子が室温でハーフ・ユニット内に閉じ込められて動き回るのを制御して隣のハーフ・ユニットに移送して、Pb-Pbダイマー分子を作成する原子操作実験に成功した。 2. 隣接するハーフ・ユニットに個々のPb原子が存在している状態、さらに、片側のPb原子が隣のハーフ・ユニットに移動して2個のPb原子がハーフ・ユニット内に閉じ込められて動き回る状態、そして、最後に2個のPb原子がPb-Pbダイマー分子となる状態の連続観察に成功した。 3.TiO_2(110)清浄表面のブリッジ酸素上に低温で吸着したカリウム(K)原子が中性の探針で原子操作出来ることを見いだした。また、原子操作によるプリングモード(引力)で動いたK原子が離れたK原子を静電気によるプッシングモード(斥力)で動かして、ペアで動く新現象を発見した。 4. Si(111)7×7上に作ったSi_4テトラマーを原子間力顕微鏡(AFM)と走査型トンネル顕微鏡(STM)を複合化したAFM/STM顕微鏡で見ると、探針-試料表面間距離が近づくとSTM像の見え方が変わる新現象を見いだした。これは、探針-試料原子間の共有結合によりSi_4テトラマーの電子状態が変化する事を示している。 5. ケルビンプローブ力顕微鏡(KPFM)による局所的接触電位差(LCPD)の機構が、探針-試料表面間相互作用力による局所的分極に伴う電子状態の変化である事を、Pb/Si(111)7×7上のSi原子とPb原子の同じ探針によるLCPD比較測定実験と第1原理計算で明らかにした。 6. 遠距離でSTMとAFMの探針-試料表面間距離依存性をPb/Si(111)7×7上のSi原子とPb原子でAFM/STM同時測定して、Si原子ではトンネル電流が原子間力の2乗に比例するが、Pb原子ではこの関係が成り立たないことを見いだした。
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Research Products
(52 results)