2009 Fiscal Year Annual Research Report
海底ステーションを基地とする海中観測ロボットによる自動海底地殻変動観測手法の開発
Project/Area Number |
17101006
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
浅田 昭 The University of Tokyo, 生産技術研究所, 教授 (60323648)
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Keywords | 海洋科学 / 地震 / 津波 / 知能ロボティクス / 防災 |
Research Abstract |
H20年度に愛知県豊橋沖に海底ケーブル接続設置を行ったオンラインタイプの海底音響基準局は、継続的に運用できる状態に維持され、当初計画を上回る技術開発レベルに達している。この海底基準局を基点とした実観測を計画、実施し、その中で本研究が目指す次世代海底地殻変動観測システムへ改良し、評価、完成形へと向ける作業を実施した。これまでAUV"r2D4"を海上観測プラットフォームとする実海域実験を行ってきたが、最終年度となる本年度は、より本研究の理想に近い形態にシステムを改良し、設置・回収に大型船舶を必要とせず、少ない人員で運行を行うことが出来る、AUVに準じた自動航行可能な小型海上観測プラットフォームの開発、実用試験を行った。 H21年度の個々の実施事項については以下のとおり。 (1)海中ロボットによる海底測地観測手法の研究開発―(1)小型海上観測プラットフォームの構築。(2)ミラートーランスポンダー受波用プリアンプのチューニング。(3)複数海底基準局を利用したLBL手法によるリアルタイム測位実験の実施。(4)背景雑音データの取得実験の実施。 (2)海底ステーション・海底ケーブル利用手法開発―(1)オンテイン海底音響基準局の制御実験の実施。(2)海底ステーションへのホーミングを意識した、AUV実機による誘導実験の実施。 (3)AUVによる航行観測手法開発―(1)ワイヤレス無線を介した航法制御実験の実施。(2)海底ステーションへのホーミングを意識した、AUV実機によるアプローチ実験の実施。 (4)海底測地観測手法開発―(1)オンライン海底音響基準局と自動航行海上観測プラットフォームによる実海域観測を実施。(2)後処理による測地解析。 本研究の計画当初からの目的は、次世代の海底地殻変動観測システムを構築する上で必要となる要素技術の開発である。計画半ばにはすでに各開発要素のプロトタイプが出来上がり、上述のH21年度実施のものも含め、AUV実機を使う実海域実験の中でブラッシュアップされ、実用レベルの技術に到達した。更にJAMSTECの研究協力もあり、インフラとしてのオンライン海底音響基準局を整備し利用するという、当初計画を超える成果も得ることが出来た。 連携研究者:浦環(東京大学),浅川賢一(海洋研究開発機構),望月将志(東京大学) 協力研究者:藤田雅之(海上保安庁),Oscar L.Colombo (NASA)
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Research Products
(20 results)