2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17101007
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
木曽 真 岐阜大学, 応用生物科学部, 教授 (90092931)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石田 秀治 岐阜大学, 応用生物科学部, 教授 (20203002)
安藤 弘宗 岐阜大学, 生命科学総合研究支援センター, 助手 (20372518)
矢部 富雄 岐阜大学, 応用生物科学部, 助手 (70356260)
神奈木 玲児 愛知県がんセンター, 分子病態学部, 部長(研究職) (80161389)
結城 伸泰 獨協医科大学, 医学部, 助教授 (60285913)
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Keywords | 複合糖質 / 分子プローブ / ガングリオシド / シアル酸 / セレクチン / シグレック / 自己免疫疾患 |
Research Abstract |
(1)新戦略による新規B-シリーズガングリオシド分子プローブの創製と機能解明: 前年度にひきつづき、B系列ガングリオシドの中で最も複雑な構造を有するGQ1bに焦点を絞り、糖鎖骨格内に二分子存在するジシアリルガラクトースを鍵化合物に設定し、効率的なGQ1b糖鎖の構築を試みた。その結果、ガングリオシドGQ1b八糖(保護体)の全合成に成功した。またGT1b七糖分子プローブを用いて、シアル酸認識レクチンSiglec-7の結晶化に成功するとともに、X線解析により動的結合機序を明らかにした(JBC,397,271-278,2006)。 (2)自己免疫性神経疾患の発症機序解明のための分子プローブの創製: 前年度にひきつづき、ギランバレー症候群(GBS)発症機序解明ための分子プローブとして、ガングリオシドGM1糖鎖-KLH複合体の合成を試みた。その結果、GM1エピトープ四糖を含むKLH複合体の構築に成功した。現在このGM1エピトープ-KLH複合体を用いてGBS発症試験を行っている。 (3)セレクチン及びシグレックを標的とした糖鎖プローブの創製と機能解明: 我々はシアリル6-スルホルイスXがHEV細胞における重要なL-セレクチンリガンドであることを明らかにしてきた。今回、末梢リンパ球におけるシアリル6-スルホルイスX糖鎖抗原の分布を調査したところ、ヘルパー・メモリーT及びNK細胞のサブセットに発現されていた。これらのT細胞サブセットは、皮膚ホーミング型であり、シアリル6-スルホルイスXの生合成に必須である6-スルホトランスフェラーゼ(HEC-GlcNAc6ST)とフコシルトランスフェラーゼ(Fuc-Tvll)を顕著に発現していた(Blood,107,3197-3204,2006)。 一方、シグレック用プローブとして合成したジシアリルルイスAをリガンドとして、シグレック-7との共結晶の作製に成功し、その3D構造を解析した(Biochemical J.,397,271-278,2006)。
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